みなさんは日本酒と焼酎の違いをご存知でしょうか?
例えば日本酒と米焼酎の原料はどちもお米ですね。しかし同じ原料でも、日本酒と焼酎は同じようにみえて違いがあります。
今回は日本酒と焼酎の違いについて詳しく解説していきます。
この記事の目次
1.日本酒は「醸造酒」、焼酎は「蒸留酒」
日本酒と焼酎は似たようなものと思う方もおられますが、まず造り方に違いがあります。造り方で分けると、日本酒は醸造酒で、焼酎は蒸留酒というカテゴリーに入っています。
1-1.醸造酒とは?
醸造酒とは、穀物や果実、糖類等を原料に、糖分あるいはデンプンを糖化したものをアルコール発酵させたお酒です。
代表的な醸造酒には、ビール、ワイン、清酒(日本酒)、老酒(紹興酒)などがあります。
発酵で得られるアルコール度数にはある程度限界があり、ビールで5~10度、ワインで12~14度、清酒(日本酒)は醸造酒の中でも一番高く18度ほどです。
1-2.蒸留酒とは?
蒸留酒とは、穀物や果実を発酵させた醪を蒸留器の中で熟すことで蒸気に変化させて冷却し、アルコール分だけを取り出したお酒です。
日本では米や麦、芋、黒糖を原料にした焼酎が代表的です。海外ではウイスキーやブランデー、ジン、ウォッカ、南米のラムなど蒸留酒の代表的なお酒です。
蒸留酒の場合、醸造酒とは違い蒸留していることでアルコール度数が高くなることが特徴。蒸留酒の度数は40~60度ほどになります。
2.日本酒と焼酎の原料の違い
日本酒と焼酎は造り方だけでなく、原料にも大きな違いがあります。
日本酒の原料はお米ですが、焼酎は芋や麦、米などさまざまな原料があります。
2-1.日本酒の原料はお米
日本酒の原料はみなさんがご存知の通り、お米です。お米といってもさまざまな銘柄のお米があり、日本酒に使われるお米は”酒米”と呼ばれるものです。
酒米とは日本酒の原料となるお米のことで、「酒造好適米」や「醸造用玄米」が正式な名称です。酒米の生産量は米の全生産量のうち約2%程です。そのうち山田錦と五百万石の品種が酒米の6割を占めています。
酒米の品種によっても味わいや風味が異なります。
2-2.焼酎の原料は芋や麦、米などさまざま
焼酎の原料は芋や麦、米などが使われています。他にも、黒糖や栗など、さまざまな原料が存在します。
日本酒の原料もお米ですが、お米を原料とした醸造酒(日本酒)を蒸留させると米焼酎になるという違いがあります。
焼酎は原料本来の旨味がしっかりとお酒に残るため、この原料の選択肢により、味のバリエーションが幅広く楽しめます。
3.日本酒と焼酎それぞれの楽しみ方の違い
日本酒と焼酎には楽しみ方にもそれぞれの特徴があります。日本酒には温度変化による楽しみ方があり、焼酎にはさまざまな割り方や飲み方を楽しむことが出来ます。
3-1.日本酒は温度の変化の楽しみ方がある
日本酒は飲む際に温度帯をかえることで、味わいの変化を楽しむことが出来ます。
一般的に日本酒の常温は20〜25度。ここを境目に5℃前後までを「冷や」、5~10℃前後のものを「冷酒」、10℃前後は「花冷え」、15℃前後を「涼冷え」などと名称がつけられています。反対に温度が上がれば、みなさんがご存知の「熱燗」は50度前後です。「ぬる燗」が40度、「上燗」45度、「飛びきり燗」55度と、温度により名称があり、味わいや香りも違ってきます。
日本酒は、温度が上がれば、風味が増して口の中で広がりやわらかく感じられます。冷やせば、すっきりとドライで軽やかな味わいになります。また、日本酒の種類によっても味わいが絶妙に変化します。
3-2.焼酎は自分の好きな方法で割る楽しみ方がある
焼酎は、さまざまな割り方や飲み方があることで、幅広く楽しめるお酒です。
ロック、ストレート、水割り、お湯割り、ソーダ割りなどをはじめ、色々な飲み方があります。王道の飲み方以外にも、緑茶割り、ウーロン割り、紅茶割り、珈琲割り、牛乳割り、フルーツを入れたカクテルや梅干し入りのお湯割りなど、その組み合わせは無限大です。
割り方が多彩なので、飲む際のおつまみに合わせて割り方を変える楽しみもあります。
また、ジュース割りやソーダ割りなどはお酒が苦手な方や女性にも人気があり、幅広い層の方に楽しく飲んでいただけます。
4.日本酒と焼酎のカロリーの違い
日本酒と焼酎のカロリーに違いはあるのでしょうか。
カロリー・糖質(100mlあたり) | ||
カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
日本酒(純米酒) | 103 | 3.6 |
焼酎(単式蒸溜) | 146 | 0.0 |
【参考】文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」
100mlあたりで見ていくと、日本酒は約103kcal、焼酎は約146kcalです。これだけ見ると日本酒の方がカロリーが低いですが、実は飲み方にカラクリがあります。
焼酎にはさまざまな割り方が存在しますが、この”割って飲む”という特徴がポイントです。炭酸割りやお湯割りにした場合、一般的には3対1の割合いするので、1杯あたり42kcalほどになります。2杯飲んでも84kcalなため、結果的に日本酒よりも焼酎の方がカロリーが低くなる場合があります。
また、カロリー以外にも糖質の違いがあります。日本酒は糖質がありますが、焼酎は糖質ゼロ。ただ、焼酎の割り方によってはジュースなどで割ると糖質が高くなる場合があるので注意が必要です。
まとめ
日本酒と焼酎の違いについて紹介していきました。
同じように見えてそれぞれの特徴があります。どちらにしても日本人として誇れるお酒ですね。
どんなお酒も適量を守り、楽しく飲んでください。