プレミア芋焼酎「魔王」を解説。3Mに数えられる逸品の価値とは

焼酎ファンならずとも1度は飲んでみたい芋焼酎が、人気が高く入手困難なことからプレミアム焼酎と言われる「魔王」ではないでしょうか。フルーティな香りとまろやかな口当たりで、芋焼酎のイメージを変えたと言われている焼酎です。今回は、そんな「魔王」の魅力を徹底的に解説しましょう。

魔王とは

「魔王」は、人気が高く入手困難なことから、「森伊蔵」「村尾」と合わせ、その頭文字を取って3M(スリーエム)と呼ばれるプレミアム焼酎のひとつです。魔王の人気の秘密は、芋焼酎とは思えないような、フルーティでまろやかな香り。芋焼酎独特のくさみやクセがなくスッキリとしていながらも、深い味わいを感じられ、芋焼酎が苦手だという人にもおいしいと感じさせます。

赤魔王、大魔王との違い

名前の似ている焼酎に、「赤魔王」と「大魔王」がありますが、実は魔王とは違う酒造で作られた全く別の焼酎です。赤魔王は、宮崎県日南市にある「櫻の郷酒造」が造る芋焼酎で、関東地方では焼き芋にしてよく食べられている赤芋(紅あずま)という品種のさつまいもを使用して、白麹で仕込んでいます。

(出典元:amazon.com)

一方、大魔王は鹿児島県いちき串木野市の濵田酒造株式会社が造る芋焼酎で、こちらは原料のさつまいもには黄金千貫を使って黄麹で仕込んでいます。魔王、赤魔王、大魔王といずれにも魔王という文字が入っているので、同じ蔵元の焼酎と勘違いする人もいますが、全く別の蔵元が仕込んだ別の芋焼酎です。しかし、機会があれば飲み比べしてみるのも面白いですね。

(出典元:amazon.com)

蔵元・産地

白玉醸造

「魔王」を造っているのは、九州の最南端”大隅半島”に位置する鹿児島県肝属郡錦江町にある「白玉醸造」。魔王の他には、芋焼酎の「白玉の露」、麦と芋をブレンドした「元老院」、米と芋で造った「天誅」があります。白玉醸造の創業は明治37(1904)年で、100年以上もの長い歴史をもつ老舗の蔵元です。

白玉酒造株式会社

所在地: 〒893-2302 鹿児島県肝属郡錦江町城元

TEL: 0994-22-0030

なぜ人気に?

人気の理由その1:フルーティな香りと味わい

魔王の人気の理由として、一番にあげられるのが芋焼酎独特の癖のある匂いを感じさせないフルーティな香りと味わいです。魔王は、原料に芋焼酎を造るのに最適と言われるさつまいも「黄金千貫」を使用し、黄麹で仕込まれています。

芋焼酎の仕込みには、白麹や黒麹が使われることが多いですが、魔王には本来日本酒の仕込みに使われる黄麹が使われています。黄麹は、白麹や黒麹と比較すると雑菌に弱いため気候が温暖な九州で造られる焼酎の醸造には向かないとされていましたが、その常識を打ち破って造られたのが魔王。そのため、日本酒の大吟醸で感じるような吟醸香にも似たフルーティな香りが楽しめるのです。

また、魔王は昔からの製法である「常圧蒸留」ではなく、蒸留窯の内部の気圧を下げて蒸留する「減圧蒸留」という方法で蒸留されています。減圧蒸留によって造られた焼酎は、常圧蒸留に比べてクセのない口当たりがまろやかな味が特徴。そのため魔王は、非常に飲みやすい焼酎に仕上げっているのです。

80年代の第二次焼酎ブームで、お湯割が芋焼酎の飲み方の定番と言われるようになったなかで、冷やして豊かな香りを楽しみながら飲む焼酎として開発されたのが白玉酒造の魔王です。それまでの芋焼酎のイメージを変えて新たな焼酎ファンを獲得したことや、テレビや雑誌などで取り上げられたことで一気に人気になったのです。

人気の理由その2:入手困難なプレミア焼酎

魔王の人気には、入手困難なことも理由としてあげられます。魔王は、樽で長期熟成させているため、非常に手間がかかり生産量が多くありません。その美味しさから人気な上に、なかなか手に入らないためプレミアムな焼酎として、焼酎ファンに魔王の名が一気に知れ渡ることになりました。焼酎ファンならずとも、一度は飲んでみたいと思う人も多く、さらに人気となっていると考えられます。そのため、インターネット通販では定価の3倍もの値段で取引されています。

人気の理由その3:ネーミング・ブランディング

印象に強く残る「魔王」というネーミングにより、注目されたのも魔王の人気の理由のひとつ。魔王という名前の由来は、瓶の後ろに貼られたラベルに書かれています。そこには「ウイスキー、ブランデーなど長期間に渡って樽に入れて貯蔵するお酒は、熟成することで少しずつ原酒の量が減っていく。そのお酒は、昔から”天使のわけまえ”と呼んで貴重で縁起のよいものとして扱われてきた。本格焼酎の魔王は、天使を誘惑して魔界へ最高のお酒を調達する悪魔たちによってもらたされた”特別のお酒”という意味で命名された」という意味のことが書かれています。

歴史

「魔王」は、白玉醸造の三代目にして現在の社長である玉利誠章氏が、若者のお酒離れなどによる今後の焼酎業界に不安を抱き、芋焼酎を黄麹を使って仕込むという当時の常識を打ち破って開発した芋焼酎で、その登場は今から20年ほど前で、長い白玉酒造の歴史の中では新しい銘柄です。

購入方法

一時期の焼酎ブームと比較すると、かなり入手しやすくなったとはいえ、依然インターネット通販では3M(スリーエム)と呼ばれるプレミアム焼酎の「魔王」「村尾」「森伊蔵」は、定価より高値で販売されています。

定価で購入する場合には、白玉醸造の関連会社である株式会社白乃さと(旧有限会社玉利商店)に電話をして注文書を申し込みします。電話受付の時間は平日の月曜日から金曜日の9時から10時。電話で自分の住所と名前を伝えると「魔王申込み用紙」が郵送されてくるので、必要事項を記入して同封されている封筒に入れて返送します。申込用紙が株式会社白乃さとに届けば予約は完了です。予約順で代引きにて発送されますが、焼酎ブームが去った現在でも半年ほどは待つようです。

また、酒店の自社サイトや楽天市場、Amazonなどのネット通販でも購入可能なので、納期と価格などを比較検討してどの購入方法で買うか決めるとよいでしょう。

銘柄の種類

先述しましたが「魔王」を造る白玉醸造には、「白玉の露」「元老院」「天誅」といった銘柄があります。それらの特徴は次の通りです。

白玉の露

「白玉の露」は、明治37年の創業以来、白玉醸造を代表する銘柄。ラベルのデザインも当時のまま使われていて、100年以上の歴史を感じることができます。地元大隅半島で育てられて黄金千貫を白麹を使って醸した芋焼酎で、まろやかな芋の香りにキレのある飲み口が特徴。魔王とは違い、白麹を使い常圧蒸留で造られているため芋焼酎らしい風味が味わえます。

(出典元:amazon.com)

元老院

「元老院」は、芋焼酎と麦焼酎を絶妙にブレンドして樫樽で長期熟成させたお酒。樫樽はウイスキーやブランデーなどを熟成させる時に使われる樽。その樫樽で熟成させた「元老院」は、淡い琥珀色をしています。麦焼酎の特徴である香ばしく軽やかな味と、芋焼酎のふくよかな甘さがバランス良くブレンドされ、長期熟成のまろやかさも感じられます。

(出典元:amazon.com)

天誅

「天誅」は、芋焼酎と米焼酎をブレンドしていて、米焼酎のもつ深い味わいと芋焼酎のまろやかな甘みが絶妙に調和した焼酎です。名前の由来は、天から与えられた豊かな実りであるお米とさつまいもを使った焼酎であることから「天酎」と名付けるものを敢えて「天誅」としたと、瓶の裏側に貼られたラベルには説明されています。

(出典元:amazon.com)

評判

Amazonでのカスタマーレビューは次の通りです。

いつもは麦ばかり飲んでいたのですが、こいつを飲んでから芋の虜になってしまいました。魔王はフルーティで香り高く口当たりがまろやか。芋芋していないところも個人的にグッド。ほかの焼酎は基本水割りなのですが、こいつだけは断然ロック。ロックでもするする飲めてしまう危険なお酒です。

 

この焼酎は庶民にあらず。魔王の酒なり。王の名にふさわしい美酒です。

 

非常に飲みやすくフルーツのような甘い香りの焼酎です。あまりにおいしいのでガバガバと飲んでしまい、水で割ったにも関わらずあっという間に無くなってしまいました。

やはり、フルーティで飲みやすいと評判が高いようですね。

定価

定価販売をうたっている酒店のホームページでは、1,800mlで2,750円(税別)、720mlで1,400円(税別)となっています。ただし、入荷待ちとなっているので、すぐに飲みたい人は楽天市場やAmazon、ヤフーショッピングなどで注文することになります。

参考までに楽天市場では

1,800ml 7,980~15,950円程度 720ml 3,420~9,408円程度

でしたが、店舗によって送料も違うため送料も含めて比較するとよいでしょう。

まとめ

魔王は、黄麹を使い減圧蒸留されることでフルーティな香りとクセのないまろやかな口当たりが特徴の芋焼酎です。芋焼酎はクセが強くて苦手という人も、ぜひ1度は飲んでみてください。きっと芋焼酎のイメージが変わるはすですよ。

都良 TORA
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