焼酎には実にさまざまな種類のものがあります。そのことが焼酎の大きな魅力となっているのですが、初心者の方には少々ハードルが高く感じられてしまうこともあるでしょう。
そこで、この記事では、代表的な種類の焼酎について解説したあと、合計16銘柄のおすすめの焼酎を紹介します。ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
焼酎にはさまざまな種類がある
焼酎の素材にはさまざまなものがあります。そして、焼酎の味わいや香りには、その素材の特徴が表現されているのです。まずは焼酎の素材別に、それぞれの特徴を見ていきましょう。
芋焼酎
芋焼酎はさつまいもを原料に造られる焼酎です。「芋焼酎といえば鹿児島県」というイメージをお持ちの方も大勢いらっしゃるかもしれませんが、実際、鹿児島県は日本一のさつまいもの生産量を誇っています。というのも、鹿児島県は火山灰土等の特殊土壌により、稲作にはあまり向かず、やせた土地でも育つさつまいもの栽培が盛んにおこなわれるようになったのです。
芋焼酎に使われるさつまいもは、一般的には食用のさつまいもとは異なる品種ですが、近年は食用のさつまいもから造られる焼酎も増えたり、焼酎用のさつまいもを食用にしたりと、両者の線引きが曖昧になり、多彩な芋焼酎が生産されるようになりました。
芋焼酎の特徴は、蒸し焼きにしたさつまいもの甘い香りとまろやかな味わい。ただし、原料のさつまいもの品種や麹の種類、蒸留方法などで、その風味はがらりと変わってくるため、実に多様な芋焼酎が存在します。
麦焼酎
麦焼酎は主に「二条大麦」という大麦から造られる焼酎です。「二条大麦」はビールの原料にも使用されています。
麦焼酎が国内で初めて造られたのは、長崎県の玄界灘に浮かぶ壱岐島。この地では年貢を米で納めており、麦は対象外だったため、16世紀ごろから麦焼酎造りが始まったと言われています。
麦焼酎の特徴は、麦特有の香ばしい香りと、さっぱりとした軽やかな風味。また、和洋中問わずさまざまな食事に合わせやすいのも特徴です。麹の種類や精麦歩合、蒸留方法によって、その風味や個性が変わってきます。
米焼酎
米焼酎は日本の食生活の主役とも言える米を原料に造られる焼酎です。今から500年ほど前に、熊本県の球磨地方で初めて米焼酎が造られました。なお、球磨川水系の地下水と米と米麹で仕込んだ米焼酎は、「球磨焼酎」と名乗ることができます。
米焼酎の特徴は、米の甘味を含んだ丸みのある味わい。また、同じく米から造られる日本酒とも相通じる香りが感じられ、日本酒愛好家にも好まれる傾向にあります。
そば焼酎
そば焼酎はそばの実を原料に造られます。そばの実は熱処理をして外皮を取り除いた後、そのまま仕込みに使ったり、荒く削って使ったり、粉にして使ったりと、その使い方はさまざまです。
そば焼酎が誕生したのは1973年。歴史の浅い焼酎ではありますが、そば特有の香りと、さわやかでやわらかな味わいが好評を博し、いまでは人気の焼酎の仲間入りを果たしています。
栗焼酎
栗焼酎は蒸した栗を仕込みの段階で加えて造られる焼酎です。栗のまろやかで濃厚な甘い風味が感じられ、近年ファンを増やしています。
焼酎のおすすめ16選
森伊蔵 25°【芋焼酎】
鹿児島県垂水市にある森伊蔵酒造が手掛ける、日本でもっとも入手困難な焼酎のひとつです。同じく入手困難な魔王、村尾と共に、その頭文字をとって「3M」と呼ばれています。
森伊蔵酒造では、明治18年の創業時から伝わる甕壺仕込みにこだわり、少量生産ながら品質の高い焼酎を生み出しています。上品な花のような香りに、洗練された深みのある味、柔らかな喉越しが特徴的。
かつてのフランスの大統領・ジャック・シラク氏も愛した焼酎です。
(出典元:amazon.com)
佐藤 黒麹仕込み 25°【芋焼酎】
鹿児島県で明治39年に創業した佐藤酒造が手掛ける焼酎です。「佐藤 黒」とも呼ばれる、佐藤酒造の看板商品でもあります。
芳醇な香りに、黒麹仕込み特有の力強さ、熟成による繊細で滑らかな舌触りが特徴的。バランスのとれた優しい味わいで、飲み込んだ後も心地よい後味が口の中で長く感じられます。
(出典元:amazon.com)
赤霧島 25°【芋焼酎】
「黒霧島」でおなじみの、宮崎県都城市の霧島酒造が手掛ける焼酎です。開発に10年以上かかったという「赤霧島」は、その爆発的な人気から、一時は入手困難となりました。
原料に使われている「紫優(ムラサキマサリ)」という品種の芋の色素によって、もろみの色が赤くなることが名前の由来となっています。
繊細で華やかな香りと、優しくフルーティーな風味が特徴的。飲みやすい味わいで、女性ファンの多い芋焼酎の銘柄のひとつでもあります。
(出典元:amazon.com)
海 25°【芋焼酎】
鹿児島県の大海酒造が手掛ける「海」は、初心者向けの芋焼酎の代表格とも言える芋焼酎です。麹には日本酒造りに使われる黄麹を使用し、減圧蒸留をすることで、クセのない味わいに仕上げられています。
清涼感のある香りに、シャープさを感じさせるエレガントな味わい、爽快な喉越しが特徴的。芋焼酎デビューにもピッタリの1本と言えるでしょう。
(出典元:amazon.com)
六代目百合 25°【芋焼酎】
鹿児島の薩摩半島からフェリーで1時間ほどの「甑島」という小さな島にある塩田酒造の6代目、塩田将史氏が手掛ける芋焼酎です。
気品にあふれる鮮烈な香りと、ふくよかな旨味を感じる濃厚な味わいが特徴的。「芋焼酎の王道」とも呼べるフルボディの1本です。
(出典元:amazon.com)
百年の孤独 40°【麦焼酎】
宮崎県に明治18年した黒木本店の傑作とも言える麦焼酎です。香ばしい麦やオークの香りに、熟成を感じさせる力強く深い味わいが特徴的。
パッケージデザインも洗練されており、プレゼントにもおすすめの逸品です。
(出典元:amazon.com)
克 樫樽貯蔵無濾過麦 25°【麦焼酎】
鹿児島県の東酒造の巨匠・前村貞夫杜氏が手掛ける自信作です。麦の特性をいかした常圧蒸留酒を、樫樽の新樽と古樽で熟成し、口当たりの柔らかさを重視してブレンド。樫樽特有の甘くフルーティーな香りと無濾過特有の麦本来の芳香が絶妙なバランスと、ほのかに甘味を感じるまろやかな味わいが楽しめます。
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極上閻魔 25°【麦焼酎】
大分県に江戸時代の寛政元年(1789年)創業した、老松酒造が手掛ける麦焼酎です。
5年前後熟成させた原酒と、25年以上樽熟成した原酒をブレンド。樽由来のバニラの香りに、おだやかでやわらかく、奥行きのある味わいが特徴的。その名にふさわしい、極上の1本です。
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壱岐の島 25°【麦焼酎】
昭和59年に壱岐の6つの酒造が協業して設立させた壱岐の蔵酒造が手掛ける麦焼酎(壱岐焼酎)です。古くから伝わる壱岐焼酎造りの伝統の技を集結させて造られています。
焦がし麦やウェハースのような香りに、ふんわりとしたやさしい甘味が特徴的。「究極の食中酒」というコンセプト通り、幅広い料理と合わせやすい、バランスの取れた味わいに仕上がっています。
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吟香 鳥飼 25°【米焼酎】
熊本県南部の球磨地方、人吉盆地にある鳥飼酒造場が手掛ける米焼酎(球磨焼酎)です。
トロピカルフルーツや大吟醸酒を思わせる華やかな香りに、さわやかで心地よい飲み口が特徴的。飲み込んだ後もフルーティーな風味が口の中に残ります。
「96年モンドセレクション国際食品コンクール」では特別金賞を受賞し、世界中から注目を集める米焼酎です。
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よろしく千萬あるべし 25°【米焼酎】
日本酒「八海山」でお馴染みの、新潟県にある八海酒造が手掛ける米焼酎です。
「八海山」の醸造技術を取り入れ、仕込みには清酒酵母と黄麹を使用。ほのかに吟醸酒を思わせる香りに、清涼感のある味わいが特徴です。
「よろしく千萬あるべし」とは、限りなく多くの福が得られるようにと相手の幸福を願う言葉であることから、贈り物にも向いています。
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本格球磨焼酎 白岳 しろ 35°【米焼酎】
500年という焼酎造りの歴史のある熊本県球磨地方の高橋酒造が手掛ける米焼酎です。
その地に代々伝わる伝統製法を大事にしながらも、革新を重ねることで生まれた「白岳 しろ」。上質な米と清らかな水、確かな技術に由来する、上品な香りとさわやかな味わいが特徴です。
モンドセレクションでも5年連続金賞を受賞しています。
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焔の刻印 35°【米焼酎】
熊本県人吉市で明治36年に創業した繊月酒造が手掛ける米焼酎です。
同社を代表する米焼酎の銘柄「繊月」をホワイトオーク樽の中で10年以上貯蔵した「焔の刻印」はホワイトオークに由来するバニラやナッツを思わせる香りと、熟成によるまろやかな味わいが特徴的。リッチな風味が存分に堪能できる1本です。。
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吉兆雲海 25°【そば焼酎】
「そば焼酎」のパイオニアである宮崎県の雲海酒造が手掛けるそば焼酎です。厳選されたそば、伝統的な黒麹、それらと最も相性の良い宮崎県日向灘から採取した独自の酵母を使用。芳醇なそばの香りと口当たりの良さ、まろやかな味わいが特徴です。
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十割 そば全量 25°【そば焼酎】
京都の宝酒造が独自に開発したそば麹を使用した、そば100%のそば焼酎です。そば以外の原料を使わない「十割そば」が名前の由来となっています。
そば本来の香ばしく爽やかな香りに、おだやかな甘みが特徴的。そばが持つ魅力を最大限に引き出した逸品です。
(出典元:amazon.com)
ダバダ火振 25°【栗焼酎】
高知県の四万十川上流域に明治26年に創業した酒造メーカー、無手無冠が手掛ける栗焼酎です。四万十川上流域は栗の名産地としても知られており、「ダバダ火振」には地元で採れた特産栗がたっぷりと使われています。
ほっくりとした栗特有の香りに、ふんわりと広がる優しい甘味が特徴的。珍しいので、焼酎通へのギフトにもピッタリです。
(出典元:amazon.com)
まとめ
さまざまな焼酎の種類とおすすめの銘柄を紹介しました。ぜひこの記事を参考に、さまざまな焼酎を試し、それぞれの魅力に触れてみてくださいね。