焼酎の甲類の解説とオススメ銘柄の紹介します!

焼酎とひとことで言っても、「甲類」と「乙類」とに分類されているのはご存知でしょうか。この分類は、昭和24(1949)年の酒税法改正によって定められましたが、甲類と乙類では原料や製法、味わいに違いがあります。今回は、甲類焼酎について詳しく解説していきます。また、記事の後半ではライターがおすすめする銘柄も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

1. 焼酎の甲類と乙類の違い

1-1.焼酎の甲類と乙類の違いは蒸留法

焼酎の甲類と乙類の最も大きな違いは、その蒸留法にあります。甲類焼酎は、連続式蒸留機によって蒸留されて造られています。連続式蒸留機は、もともとウイスキー造りに利用されていた製法で、日本へは明治になって導入された比較的新しい蒸留法です。そのため、以前は甲類の焼酎のことを「新式焼酎」と呼んでいました。甲類焼酎の製法や特徴については、次の項でご紹介します。

一方、乙類焼酎は昔ながらの単式蒸留機によって蒸留されていて、以前は「旧式焼酎」とも呼ばれていました。単式蒸留機による蒸留は、仕組みがシンプルなためアルコール以外に香味成分も抽出され、それぞれの原料の風味を楽しむことができます。

1-2.甲類焼酎と乙類焼酎のアルコール度数

昭和24(1949)年の酒税法改正によって「甲類」「乙類」と分類されていた焼酎ですが、さらに平成18(2006)年の改定で、お酒の分類・品目が変更されて、甲類を「連続式蒸留焼酎」、乙類を「単式蒸留焼酎」と表記するようになりました。

また酒税法では、それぞれアルコール度数も決められていて、連続式蒸留焼酎は「アルコール度36%未満」、単式蒸留器焼酎は「アルコール度45%以下」となっています。

1-3.甲類(連続式蒸留焼酎)の製法と特徴

甲類(連続式蒸留焼酎)は、サトウキビなどから作られた糖蜜といった原料を発酵させて生み出される”もろみ”を連続式蒸留機によって何度も蒸留することで造られます。単式蒸留機で造られる乙類焼酎が、原料に由来する味や香りを楽しめるのに対して、甲類焼酎は連続して蒸留されるため無色透明でクセのないクリアな味わいが特徴です。

また、単式蒸留と比較すると製造段階で人の手が加わる工程が少なく、効率的に生産できることから、乙類焼酎に比べると価格がお手頃であるという特徴もあります。

詳しくは以下の記事へを参考にしてください。

焼酎の甲と乙の違い/本格焼酎はどっち?オススメ銘柄までご紹介

2. 甲類焼酎の味わい方

2003年頃から始まった本格焼酎ブームの陰に隠れた格好の甲類焼酎ですが、特に東日本を中心に根強く愛されて続けています。ピュアでクセのない味が特徴の甲類焼酎は、ロックや水割りはもちろん、レモンサワーやお茶割りなどさまざまな飲み方が楽しめるのが魅力。では、おすすめの飲み方をご紹介しましょう。

2-1. ロックの作り方とコツ

乙類焼酎に比べると、クセがなくすっきりとした味わいの甲類焼酎は、ロックで飲むと焼酎本来の風味が楽しめます。よく冷やしたロックグラスにお好みの量の甲類焼酎を注いで、そこに大きめの氷を2~3個入れましょう。レモンやライムを一切れ添えるとさわやかな香りを楽しめます。

2-2.炭酸割りの作り方とコツ

甲類焼酎と言えば酎ハイやサワーが人気の飲み方ですね。もっともポピュラーな酎ハイの作り方は、大きめのグラスを用意して、グラスの1/3ほど甲類焼酎を注ぎます。氷を2~3個入れてよく冷やした炭酸水を静かにグラスに注ぎます。軽くステアしたら完成です。好みでレモンスライスなどを添えましょう。その他にも次のような飲み方がおすすめです。

生レモンサワー

・レモンを半分に切って果汁を搾っておきます。

・大きめのグラスに氷をいっぱい入れて、そこに好みの量の甲類焼酎と良く冷やした炭酸水を注いで軽くステアします。

・搾ったレモン果汁を入れて、さらに軽く混ぜれば完成です。

コーラ割り

・グラスに甲類焼酎を注ぎます。

・氷を2~3個入れてよく冷えたコーラを静かに注ぎます。

・好みでスライスやくし形に切ったレモンを添えて完成です。

コーラ以外にラムネやCCレモンなど他の炭酸飲料を使って割ってもおいしいので、いろいろと試してみてください。

2-3.緑茶割りの作り方

緑茶割りも居酒屋で人気の飲み方です。クセのない甲類焼酎なら、緑茶ならではの渋みと苦み、うま味をしっかりと楽しめます。緑茶割は甘みが加えられていないため、どんな食事やおつまみとも一緒に楽しむことができます。作り方は、グラスの1/3ほど甲類焼酎を注いで、氷を2~3個入れます。緑茶をグラスで満たして軽くステアしたら完成です。

2-4.トマトジュース割りの作り方

ウォッカとトマトジュースを使った「ブラッディ・マリー」というカクテルがありますが、無色透明でクセのない甲類焼酎ならウォッカベースのさまざまなカクテルを、甲類焼酎をベースにして楽しむことができます。甲類焼酎版のブラッディ・マリーの作り方は、グラスの1/2~1/3ぐらい甲類焼酎を注ぎます。そこに氷を2~3個入れてトマトジュースと少量のレモン果汁を注ぎ入れて軽くステアします。

トマトには、アルコール分解酵素の働きを高める効果が期待されると言われています。健康を気にする人は、トマトジュースで割る甲類焼酎版のブラッディ・マリーを試してみてはいかがでしょうか。

2-5.甲類焼酎モヒートの作り方

ラムベースの人気カクテル「モヒート」も、クセがなくすっきりとした味わいの甲類焼酎をベースにして楽しめます。作り方は次の通りです。

・ライム1/2個をくし形に4つに切ります。

・グラスにライム、砂糖(適量)、ミントの葉(適量)を入れてすりつぶします。

・グラスに氷2~3個、甲類焼酎(グラス1/3程度)、炭酸水を入れて軽くステアして完成です。

グラスや炭酸水を良く冷やしておくのが、おいしい甲類焼酎モヒートを作るコツです。

3. 甲類のオススメの焼酎5選

3-1. 【宝焼酎】レジェンド 25度

宝焼酎の「レジェンド」は、サトウキビの糖蜜やとうもろこし、大麦などを原料にした原酒を樽で貯蔵した「樽貯蔵熟成酒」を20%使用しています。そのため甲類焼酎のすっきりとした味わいを残しながらも、樽熟成の琥珀色の色合いとコクと香りが特徴です。アルコール度数25%以外にも「レジェンド35度」「レジェンド20度」がラインナップされています。おすすめの飲み方は、樽熟成のコクや香りが楽しめるロックや水割り、炭酸割りです。

(出典元:amazon.com)

3-2. 【合同酒精】ビッグマン20度

合同酒精のビッグマンは、1986年の発売以来すっきりとした飲みやすさとピュアな味わいが人気の甲類焼酎です。商品のメインテーマは「男の心意気」で、発売当時は珍しかった大容量2.7リットルのペットボトル容器に入っていました。翌年には、さらにビッグな4リットルサイズが発売され、リーズナブルで美味しい甲類焼酎として愛され続けています。ビッグマン20度は北海道限定商品で、他に「ビッグマン25度」やアルコール度数40%の「ビッグマンストロング」、樽貯蔵酒をブレンドした「ビッグマンプレミアム」などの商品ラインナップがあります。

(出典元:amazon.com)

3-3. 【アサヒビール】大五郎 25度

「大五郎」はアサヒビールが造る甲類焼酎です。仕上げに純水を使用しているため、口当たりが良いすっきりとした味わいが特徴です。アルコール度数は25度と20度、容量は4リットル、2.7リットル、1.8リットルとラインナップされています。

(出典元:amazon.com)

3-4. 【宮崎本店】亀甲宮焼酎 25度

三重県四日市に本社を置く宮崎本店が造る「亀甲宮焼酎」は、「キンミヤ」と呼ばれて下町の居酒屋で定番の焼酎です。居酒屋ではホッピーで割って飲むのが人気で、ホッピーには絶対にキンミヤ焼酎と言われるほどです。仕込み水にやわらかな天然水を使っているため、ピュアですっきりとした味わいの中にも、ほのかな甘みを感じることができます。もちろんホッピー以外で割って飲むのもおすすめです。

(出典元:amazon.com)

3-5. 【宝酒造】純 25度

宝焼酎の「純」が登場したのは1977年。以来40年以上に渡って焼酎ファンに愛されているブランドです。「純」は、サトウキビ糖蜜を原料にした焼酎をベースに、大麦やとうもろこしを原料とした11種類の樽貯蔵熟成酒を13%使用して造られています。アルコール度数は25度の他に20度と35度、容量は720ミリリットルから4リットルまでラインナップが揃っています。

(出典元:amazon.com)

まとめ

今回は、甲類焼酎について特徴やおいしい飲み方、おすすの銘柄などご紹介しました。乙類焼酎に比べるとクセがなくすっきりとした味わいのため、個性が無いように思われがちですが、飲み比べると意外な個性に気づきますよ。ぜひ、いろんな飲み方で楽しんでくださいね。

都良 TORA
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