チューハイやレモンサワーのベールアルコールにはウォッカや焼酎が使われていることが多いです。その違いによりチューハイの味わいも変わってきます。
今回はベースアルコールに使われるウォッカと焼酎の違いについて解説していきます。
この記事の目次
1.ウォッカはどんなお酒?
ウォッカは焼酎と同じ蒸留酒です。世界4大スピリッツのうちの一つでもあります。詳しく見ていきましょう。
1-1.ウォッカは焼酎と同じ蒸留酒
ウォッカはロシア発祥であり、原料には大麦、小麦、トウモロコシなどの穀物やジャガイモなどのイモ類も使われています。この原料を発酵・蒸留させ造られた、焼酎と同じ蒸留酒です。ウォッカは蒸留する際に白樺の木の炭でろ過させているのが特徴。
成分はほぼ水とエタノールで不純物をほとんど含まず、その味わいはとてもクリアなものが多く無味無臭に近いと言われており、モスコミュールやコスモポリタンなどの有名カクテルのベースなどにも幅広く使われています。
1-2.ウォッカの製造方法
ウォッカの原料である穀物やイモ類を発酵したのち、連続式蒸留器にて蒸留されます。蒸留する際に、白樺の木の炭でろ過することがウォッカの最大の特徴。そうすることで不純物が取り除かれ、アルコールと水の結合を促進することに繋がります。
蒸留された原酒はアルコール度数85~95%ほどにもなり、その後40~60%前後にまで加水して造られています。
1-3.ウォッカの歴史
ロシアでのウォッカの起源には諸説があり、古いものでは12世紀頃からロシアの地酒を元にして造られるようになったという説や、ルーシ時代の果実酒が元となったという説もあります。また、14世紀終盤の、ジェノアの大使によってブドウを原料にした「命の水」と呼ばれる蒸留酒が最初に紹介されたのが、ウォッカの一番最初だとも言われています。
実はウォッカは元々薬として開発されました。鎮痛作用・殺菌作用や、コレステロールの値を下げる効果も期待されており、健康に気をつけながら楽しめることも魅力です。
2.ウォッカと焼酎の違い
では実際にウォッカと焼酎の違いについてお話しします。まずはアルコール度数から見ていきましょう。
2-1.アルコール度数
ウォッカと焼酎はアルコール度数に違いがあります。
ウォッカはアルコール度数が平均40〜60%と、高めが多いです。世界一のスピリッツとして知られているウォッカ”スピリタス”は、なんとアルコール度数96%。アルコール度数が高めなこともウォッカの特徴の一つです。
では焼酎はというと、チューハイやレモンサワーのベースとして使われている甲類焼酎は、酒税法では36度未満とされています。一般的なものはアルコール度数20%や25%のものが多く、中には12%や35%の物もあり、様々な度数のものがあります。
芋焼酎や麦焼酎などの乙類焼酎(本格焼酎)は、酒税法では45度以下と甲類焼酎よりは高めに設定されています。乙類焼酎も一般的に20%や25%のものが多く、沖縄が産地の泡盛は45%近いものまで存在します。
2-2.製造方法
ウォッカの製造方法は連続式蒸留です。
連続式蒸留器を使うことにより、何度も蒸留を繰り返すことで不純物が取り除かれたアルコール純度の高いお酒になります。透明感があり無味無臭のものが多く、スッキリとした味わいに仕上がります。
一方焼酎の製造方法は、連続式蒸留と単式蒸留に大きく分けられています。
そのため、連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)と、単式蒸留焼酎(乙類焼酎または本格焼酎)の2種類が出来上がります。
単式蒸留焼酎(乙類焼酎または本格焼酎)は、単式蒸留器で1~2回のみ丁寧に蒸留された焼酎です。原料の本来の香りや味わいがしっかりと焼酎に溶け込み、芋焼酎や麦焼酎などはこの単式蒸留焼酎にあたります。
2-3.原料
ウォッカの原料は、大麦、小麦、ライムギ、トウモロコシ、じゃがいもなどさまざまです。
焼酎の原料にも同じようなものが使われており、乙類焼酎(本格焼酎)では、芋、麦、米、そば、サトウキビなどが使われています。
一方で、甲類焼酎の原料にはサトウキビの搾りかすである廃糖蜜や、清酒の酒粕などが使われており、原料においてはどちらかというとウォッカと乙類焼酎(本格焼酎)は近しいものがあると言えます。
3.ウォッカはカクテルでとても親しまれているお酒
焼酎がチューハイやレモンサワーなどのベースとして親しまれているように、ウォッカもカクテルのベースとして世界中で親しまれています。
3-1.ウォッカの代表的なカクテル
ソルティドッグ
ソルティドッグはウォッカをベースとし、グレープフルーツジュースを混ぜて作られたカクテルです。コップのふちには塩がつけられており、カクテルと合わせて味わう”スノースタイル”が一般的。
グレープフルーツの苦味と酸味がウォッカに絶妙にマッチし、女性にも人気があるカクテルとなっています。
スクリュードライバー
スクリュードライバーはウォッカとオレンジジュースを混ぜて作られるカクテルのこと。
オレンジジュースのナチュラルな酸味と甘味を、すっきりとしたウォッカが引締めてくれ、とても飲みやすい味わいとなっています。お酒が初心者の方にもおすすめのカクテルです。
モスコミュール
モスコミュールはウォッカとジンジャエールを混ぜ、ライムを加えた爽やかなカクテルです。
辛口のジンジャエールで作るとピリッとした辛味のある味わいに、甘口のジンジャーエールで仕上げればやや甘みのある味わいになります。ジンジャエールの炭酸とライムの柑橘の爽やかな香りとがマッチし、とても爽やかな仕上がりになっています。
4.レモンサワーや、缶チューハイに使われているのはウォッカ?焼酎?
4-1.レモンサワー
レモンサワーは蒸留酒であるスピリッツをベースに、柑橘類など酸味のある果汁と甘みのある砂糖などを混ぜ炭酸を加えたお酒とされています。
ウォッカやジンなどを使って作られているとレモンサワーに分類されます。焼酎が使われると基本的に「レモンハイ」という名称が使われていることが多いです。
4-2.缶チューハイ
缶チューハイのチューハイとは、「焼酎ハイボール」からきています。そこから、酎ハイ、チューハイと呼ばれるようになりました。なのでチューハイの元祖ベースアルコールは、焼酎ということになります。
今では缶チューハイのベースは焼酎、ウォッカ、スピリッツと各社様々なお酒が使われています。
ウォッカベースに作られた缶チューハイは、クセがなくフルーツなどのフレーバーを感じやすいお酒となっていることが多いです。
一方、焼酎をベースに作られた缶チューハイは、長期貯蔵された焼酎などが使われている場合、焼酎本来のお酒の香りを感じられる味わいとなっています。
どちらも手軽に飲むことができ、女性やお酒初心者の方にも飲みやすいチューハイとなっています。
まとめ
ウォッカと焼酎の違いについて解説していきました。
どちらも同じようにカクテルやチューハイのベースアルコールとして広く親しまれています
ぜひ缶チューハイを購入する際には原材料をチェックして選んでみてください。