同じ蒸留酒の焼酎とウイスキー。その違いはいったいなに?原料と製法を解説

皆さんは焼酎とウイスキーの違いを知っていますか?

焼酎はウイスキーやウォッカ、ブランデーと同じカテゴリーに分けられる蒸留酒です。

今回は焼酎とウイスキーの違いについて、原料や造り方を詳しく解説していきます。

1.焼酎とウイスキーの原料の違い

まずは焼酎とウイスキーの原料の違いから詳しく解説していきます。

1-1.焼酎の原料

焼酎の原料は芋や米、麦など多岐に渡ります。種類は3種類に分かれます。

連続式蒸留焼酎(甲類)

純度が高いアルコールを精製するための連続式蒸留器によって製造される甲類焼酎。

蒸留器の中で連続して複数回蒸留されるため、無味無臭の純アルコールに近い味わいとなります。割りやすくカクテルにして飲むのに向いています。

連続式蒸留器の設備のあるメーカーは全国でも少なく、多くの甲類焼酎メーカーは原料用アルコールを他社から購入して、自社の水でアルコール度数36%以下になるように割り水して甲類焼酎を精製しています。

使用する水の質により味に個性が生まれ、熟成酒をブレンドすることで深みが出たりします。

単式蒸留焼酎(乙類)

伝統的な単式蒸留器によって製造された、別名を本格焼酎とよぶ乙類焼酎。

甲類焼酎との違いは、原料に由来する香りと味がそのまま残り、風味豊かな味わいが楽しめる点です。

単式蒸留とは、釜にもろみを入れて加熱し、揮発したアルコールを冷却装置に通してアルコールを収得する方法です。

連続式蒸留に比べると蒸留はシンプルですが、減圧蒸留法で造られた乙類焼酎はかなり軽い味わいになり、常圧蒸留法で造られた乙類焼酎はかなり濃厚な味わいになります。

この味わいに極端な差が出来るがコクはしっかりと感じられる単式蒸留が、本格焼酎と呼ばれる原点です。

混和焼酎

混和焼酎とは、甲類焼酎に乙類焼酎(本格焼酎)を混和(ブレンド)したもの。

ラベルには「焼酎甲類・乙類混和」「連続式・単式蒸留焼酎混和」と表示されています。甲類と乙類の順番は、割合の多い方が優先されます。

無味無臭に近い甲類焼酎に乙類焼酎(本格焼酎)のコクをプラスしたり、乙類焼酎(本格焼酎)を飲みやすくするために甲類焼酎をブレンドするのが目的です。

乙類焼酎(本格焼酎)に甲類焼酎をブレンドした場合、「本格焼酎」とは表示出来ませんが、本格焼酎の割合が多く原料の風味を保ったものは「(例)芋焼酎」などと表示することが出来ます。

1-2.ウイスキーの原料

ウイスキーの原料は、大麦麦芽(モルト)が一般的ですが、その他にも発芽していない大麦、小麦、トウモロコシ、ライ麦、などの穀物が使用されています。

日本で造られているウイスキーの種類は3種類に分かれます。

モルトウイスキー

大麦麦芽のみを原料として造られたモルトウイスキー。

麦芽を糖化したあと、酵母によってアルコールを発酵させ、単式蒸留器によって蒸留させています。

オーク樽などに詰めて数年〜数十年熟成してから出荷します。

琥珀色であり、1つ1つ味わいに個性が出るよう造られているのが特徴。

グレーンウイスキー

大麦麦芽+トウモロコシ、小麦、ライ麦を原料に造られたグレーンウイスキー。

トウモロコシ、小麦、ライ麦に、大麦麦芽を糖化酵素として加え発酵させ、連続式蒸留器で蒸留させています。

その後、モルトウイスキーを貯蔵する際に使用した樽を使って熟成させます。

ウイスキーとしてのフレーバーは抑えられていて飲みやすいのが特徴。

ブレンデットウイスキー

こちらは、モルトウイスキーの原酒とグレーンウイスキーの原酒をブレンドさせたもの。

モルトウイスキーの個性と、グレーンウイスキーの飲みやすさが合わさっています。

有名なスコッチからバーボン、ジャパニーズ、カナディアン、アイリッシュなど、産地や銘柄によって味わいも大きく違います。

2.製造工程による違い

ウイスキーは麦芽を発酵させて樽で長時間寝かせて造ります。

では、焼酎はどうやってできているのでしょうか。

同じ焼酎でも甲類焼酎と乙類焼酎(本格焼酎)では造り方に違いがあります。

原料の収穫から瓶詰めされるまでの製造工程を、大まかな流れで見ていきましょう。

2-1.焼酎の製造工程

連続式蒸留焼酎

①原料

糖蜜や穀類を発酵させてもろみを造ります。

②蒸す

原料を蒸していきます。

③糖化させる

麹を入れて糖化させます。

④発酵させる

糖化させた原料に酵母を加え発酵させます。

⑤連続式蒸留

この工程でフーゼル油やその他の不純物がほとんど取り除かれ、純度の高いアルコールが得られます。

⑥原酒

連続式蒸留器で蒸留して出来上がったものはピュアなアルコールで、度数は95%にもなります。

⑦貯蔵・熟成

うまみを引き出すため、貯蔵タンクで熟成させます。

⑧割り水

甲類焼酎で一番大切な工程、割り水とのブレンドです。36%未満に割り水します。

⑨ペットボトルや瓶詰め、ラベル貼り

ペットボトルや瓶詰めをしてラベルを貼って出来上がりです。

単式蒸留焼酎

①製麹(せいきく)

麹用の原料を蒸して麹菌を約2日間かけて繁殖させます。(麦麹の場合は麦を蒸して麹を造ります)

②一次仕込み

麹に水、酵母を混ぜて一次もろみを造ります。約1週間発酵させます。

③二次仕込み

サツマイモを蒸した後、砕いて一次仕込みと合わせ、約2週間発酵させます。

④単式蒸留

もろみを単式蒸留器で蒸留します。もろみには原料ならではの色がついていますが、蒸留された液体は透明です。

⑤熟成

蒸留してできた原液を寝かせ、味に悪影響のあるフーゼル油などを取り除きます。タンクで寝かせるのが一般的ですが、甕や樽で熟成させる場合もあります。

⑥瓶詰め、ラベル貼り

目的とするアルコール度数まで割り水し、瓶詰めして出荷されます。商品によっては割り水をせず原液で出荷されることもあります。

最後にラベルを貼って出来上がりです。

 

2-2.ウイスキーの製造工程

ウイスキーの製造工程もみていきましょう。

焼酎の製造工程に似ているのですが、発酵時間や樽で長期間熟成させるところなどが違ってきます。

①精麦

水に浸した大麦を床に広げて発芽させ、大麦麦芽(モルト)を造ります。

麦芽中に生成された酵素がデンプンを分解して、アルコールの元となる糖を造ります。

②粉砕

乾燥した大麦麦芽をモルトミルと呼ばれる機械で、ハスク、グリッツ、フラワーという3つの部位に挽き分けます。

③糖化

粉砕した大麦麦芽をマッシュタンと呼ばれる糖化槽に入れ、60〜70度のお湯を入れてかき混ぜます。酵素が活性化してモルトの中のデンプンを糖に変えます。そして甘い麦のジュース「ウォート」を取り出します。

④発酵

ウォートを約20度に冷却し、ウォッシュバックと呼ばれる発酵槽に移した後、酵母を加えて約48〜72時間ほど発酵させます。

⑤蒸溜

発酵により出来たモロミを蒸溜器で加熱。水より沸点が低いため、先に気体となったアルコール蒸気をさまし、再び液体にします。

この段階ではまだ無色透明です。

⑥熟成

水を加えてアルコール度数を63〜64度に調節した後、オーク樽に詰めて熟成させます。不快臭の元となる成分が水と一緒に蒸発し、樽材から溶け出した成分がウイスキーに独特の香味をもたらします。

そしてここで琥珀色の液体に変化します。

⑦ブレンド

熟成を終えたウイスキーは、木片などの混入物を取り除いた後、ブレンダーと呼ばれる職人により調合されます。

ブレンドした原酒同士を馴染ませるために、再度樽に詰めて熟成する「マリッジ」を行うこともあります。

⑧瓶詰め

ブレンドしたウイスキーは冷却し、フィルターに通して不要な成分を除去します。その後加水してアルコール度数を調節し、瓶詰めしてできあがりです。

まとめ

焼酎とウイスキーの違いについて解説していきました。

どちらも同じ蒸留酒ですが、原料や工程に少し違いがあることが分かりました。

焼酎でも熟成させているものは、かなりウイスキーのような味わいになります。

ぜひ一度、熟成された焼酎とウイスキーを飲み比べてみてください。

匠
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