焼酎造りにおいて麹はとても重要なものになってきます。
焼酎のラベルに「黒麹」や「黄麹」または「白麹」などを見かけたことがありますでしょうか。麹の種類により焼酎の味わいは変わってきます。
今回は焼酎造りにおいての麹の役割や味わいの違いについて、詳しく解説していきます。
焼酎を選ぶ際にぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
1.麹とは?
麹菌(コウジカビ)を米や麦などに生やしたものが麹です。
日本の麹菌の菌糸には色がついており、その色によって、白麹、黒麹、黄麹などに分かれます。温暖で湿度の高い日本の気候は、カビの育成に適しているため、昔からカビを利用した発酵食品が発達してきました。
日本の酒造りには「麹菌(コウジカビ)」が使われていますが、蒸した穀物ひと粒ひと粒に麹菌を繁殖させるため「ばら(散)麹」とも言われています。
2.焼酎造りにおける麹の役割
2-1.でんぷんを糖に変える
焼酎造りにおける原料の芋や米、麦などの主成分はでんぷんです。そこに麹が加えられることにより、麹菌が作る酵素によって原料のデンプンを糖化してアルコール発酵を手助けしてくれる役割があります。
2-2.クエン酸を出す
麹菌の作る酵素のおかげでデンプンを糖化しブドウ糖が作られ、そのブドウ糖から大量のクエン酸が生成されます。
生成されたクエン酸によって、もろみを雑菌の侵入から防ぎ、安全にもろみを発酵させることができます。蒸留することによって揮発しないので、クエン酸の風味は焼酎に移ることはありません。
3.黄麹・白麹・黒麹それぞれの麹の違いは?
3-1.日本酒にも使われている黄麹(きこうじ)
黒麹が一般的に使われるようになるまでは、日本酒にも使われている黄麹が焼酎でもメインで使われていました。
黄麹は焼酎造りにおいて、クエン酸を作らないという難点があり、黒麹や白麹の登場によって、使われる機会は非常に減りましたが、近年この黄麹を取り入れる蔵もでてきています。
黄麹で造られた焼酎は日本酒のような吟醸香があり、淡麗で爽快な味わいとなります。
3-2.どっしりとしたコクと旨味が特徴の黒麹(くろこうじ)
黒麹は泡盛にも使われている麹菌です。明治時代に日本本土にも導入され、もろみを腐らせることなく仕込めるので、黄麹に代わって普及していきました。黒麹が使われている焼酎は芳醇な香りと、麹由来の渋みを含む力強いどっしりとした深いコクと旨味が特徴となります。
3-3.キレがよく爽やかな仕上がりが特徴の白麹(白麹)
黒麹の突然変異から生まれた麹菌です。胞子が飛び散ることもなく作業性もよいことから、黒麹に代わって一般に広く普及しました。白麹で造られた焼酎は原料の味を素直に引き出し、軽快でマイルド、キレがあり爽やかな焼酎になります。比較的飲みやすいことが特徴。
4.【麹別】おすすめの焼酎
4-1.【黒麹】黒霧島
宮崎県都城市に本社がある霧島酒造がつくる芋焼酎の人気ブランド「黒霧島」。
地下から湧き出す霧島裂罅水と新鮮な黄金千貫を原料とし、多くの人に愛されている芋焼酎の代表です。黒麹ならではの芳醇な香りと、深いコクがしっかりと味わえる一本です。
黒霧島はどれもトロリとした甘味とキリッとした後切れが特徴で、水割りにぴったり。
(出典元:霧島酒造株式会社)
4-2.【白麹】白霧島
平成宮崎酵母を使用しており、酵母の甘い香りが広がる「白霧島」。
「あまみ・うまみ・まるみ」のバランスがよく飲み応えがあり、飽きのこない味わい。芋焼酎独特の芋臭さは無く、とてもマイルドになっておりなめらかな口当たりです。
オススメはお湯割りで、割合の目安は焼酎とお湯が6:4です。白麹ならではの原料そのままの香りと味わいが湯気に乗りしっかりと感じることができます。
(出典元:霧島酒造株式会社)
4-3.【黄麹】海
芋焼酎でありながらクセが少なく飲みやすい「海」。
黄麹を使用することで日本酒のような吟醸香を感じるため、華やかな香りとフルーティーな味わいが魅力です。
黄麹とベニオトメを低温で丁寧に発酵させ、減圧蒸留することでクセのない甘味と、爽快なのど越しとなっています。口当たりもスッキリと淡麗で、その飲みやすさから女性にも高い支持を得ています。
おすすめはロックやソーダ割り。抜群の飲みやすさは、焼酎初心者の方にもおすすめしたい芋焼酎です。
(出典元:大海酒造株式会社)
まとめ
焼酎の麹について詳しく解説していきました。
焼酎造りにおいて麹はとても大切な役割をしています。麹の種類によっても味わいが変わってくるので、自分好みの焼酎を探して焼酎時間をさらに楽しんでみてください。