焼酎には様々な飲み方・割り方で楽しめるお酒であり、ロック、ストレートや水割り、お湯割りなどその楽しみ方はさまざま。
1970年代にはお湯割りがブームとなり、80年代には酎ハイが、2000年代になると本格焼酎ブームとなり、芋や麦、米、そばなど原料本来の味わいをゆっくりと楽しめるロックや水割り、お湯割りが流行りました。
今では、一次の流行ではなく人気が定着した焼酎。今回は、ロックでの美味しい飲み方を紹介します。
この記事の目次
1. 美味しい焼酎ロックの作り方
焼酎そのものの味を楽しめる飲み方がロックです。飲み始めはストレートのような強い素材の味わいと香りを、飲み進めるにつれて氷が溶けて水割りのようなやさしい味わいが楽しめます。そんなロックですが、作り方によって美味しさが変わります。では、焼酎のロックを作るにはどのようなポイントに気をつけたら良いのでしょうか。
1-1. 用意するもの
焼酎をロックで楽しむ時に必要なのは、焼酎と氷、それにロックグラスです。ロックグラスは、背が低くて口が広いグラスのことで、正式には「オールド・ファッション・グラス」と呼ばれます。一言でロックグラスと言っても、デザインや大きさ、厚さなどさまざまなものがあります。どれを選んだら良いか迷うかと思いますが、基本的には「手に持ったときにしっくりくる」や「飲む時に感じる飲み口の厚さや薄さ」など好みで選んでOKです。
ロックは、焼酎の味や香りをゆっくりと楽しむ飲み方です。クラッシュドアイスなど小さな氷では、すぐに溶けて焼酎が薄まってしまいます。ロックで飲む時には、氷は大きめのものを用意しましょう。
1-2. 焼酎ロックの作り方
焼酎の味や香りそのものを楽しめる飲み方がロックです。飲み始めは、ストレートで飲むように素材の強い味わいを、時間がたって氷が溶けてくると水割りにしたような優しい飲み口が楽しめます。この変化がロックで飲む楽しみなので、ゆっくりと味わうためには大きめの氷を用意します。また、事前にロックグラスを冷やしておきます。
グラスに氷を入れたら、氷の上からゆっくりと焼酎を垂らすように注ぎます。焼酎の量は好みですが、バーなどで焼酎のロックを注文すると1杯70~90mlなので、80mlを目安にするとよいでしょう。
2. 焼酎ロックの楽しみ方
焼酎本来の味や風味を楽しめるロックですが、レモンやライムのスライスや梅干を添えてもおいしく頂けます。
また、飲む時には悪酔いしないようにチェイサー(水)を用意して交互に飲むようにしましょう。バーなどでチェーサーを頼むと、一般的にはグラスに入った水が出されますが、本来チェーサーとは、お酒の後を追うように飲む飲み物を指していて、強いお酒を飲んだ後や合間に飲む水やアルコール度数の低いお酒のこと。したがって、ビールでもチェーサーになりますが、飲酒によるカラダが水分不足になるのを防ぐためにも水を飲むのがおすすめです。
3. 焼酎ロックにオススメの銘柄
3-1. キンミヤ焼酎
キンミヤの愛称で親しまれている宮崎本店の甲類焼酎「亀甲宮焼酎」。宮崎本店の本社は三重県四日市にありますが、キンミヤの売上の8割は首都圏で、特に下町ではホッピーにはキンミヤと言われるほど高い人気を誇ります。
キンミヤに使われている仕込み水は、ミネラル分がほとんど含まれていないピュアな鈴鹿山系の伏流水。出来上がった焼酎は水で割ってアルコール度数を調整した後に、しばらく時間を置いてなじませる「前割り」をしてから出荷しています。そのため、ピュアですっきりした味わいと、ほのかな甘みを感じます。ホッピーはもちろん酎ハイのベースとして好まれるキンミヤですが、ロックでキンミヤの特徴であるほのかな甘みとマイルドな口当たりが楽しめます。
(出典元:株式会社 宮﨑本店)
3-2. いいちこ
「いいちこ」は、「下町のナポレオン」の愛称で親しまれている大分県の酒造メーカー三和酒類が造る麦焼酎。「下町のナポレオン」は、高級ブランデーとして有名なナポレオンに匹敵するようなおいしさを、庶民的な感覚で楽しめるという意味で公募によってつけられました。
「いいちこ」は、厳選した大麦・大麦麹と良質な天然水だけで醸した麦焼酎で、クセのないスッキリとした味わいと麦の甘い香りが特徴です。ストレートや水割りなどさまざまな飲み方で楽しめる「いいちこ」ですが、ロックで飲むと、氷で冷やされた「いいちこ」が甘くとろりとした口当たりに。時間とともに溶けていく氷によって、ストレートに近い味わいから、水割りのようなやさしい味わいまでの変化をゆっくりと味わえます。
(出典元:三和酒類株式会社)
3-3. 白岳しろ
「白岳しろ」は、「高橋酒造」が造る熊本を代表する米焼酎。「高橋酒造」は、熊本県に本社を置く創業60年の老舗酒造メーカーです。「白岳しろ」は、人吉球磨を代表する本格米焼酎で、上質な米の香りとまろやかな口あたりが特徴。
厳選したお米と米麴を原料にして、ミネラル分を豊富に含んだ人吉盆地の清らかなきれいな水を仕込み水に使っています。軽快で飲みやすく、飽きがこない美味しさで、ストレートや水割り、お湯割りなどさまざまな飲み方が楽しめますが、ロックで飲むとフルーティで芳醇なお米の香りと軽やかな口当たりが味わえます。
(出典元:高橋酒造株式会社)
4. 焼酎ロックのカロリーや炭水化物
他のお酒と比べて、健康的なお酒と言われる焼酎ですが、実際にカロリーや炭水化物(糖分)を比べるとどうなのでしょうか。ビールやワイン、日本酒、ウイスキーを比較してみました。
4-1. 他のお酒との比較
アルコール度数20度の焼酎とビール、ワイン、日本酒、ウイスキーのカロリーや炭水化物(糖質)を比べるとどうなのでしょうか。バーなどで焼酎のロックを注文すると1杯70~90mlなので、最大値の90mlを基準にして比較しました。
種類 | 90gあたりカロリー | 炭水化物(糖質) |
ビール(淡色) | 36kcal | 2.8g |
ワイン(白) | 66kcal | 1.8g |
日本酒(純米酒) | 93cal | 3.2g |
焼酎(20度) | 131kcal | 0g |
ウイスキー | 213kcal | 0g |
主な栄養成分(1g当たり)のカロリーは、糖質4kcal、たんぱく質4kcal、脂質9kcal、アルコール7kcalとアルコールは脂質の次にカロリーが高くなっています。したがって、お酒はアルコール度数が高くなると、比例してカロリーも高くなります。上記の表のように、カロリーを比較すると焼酎は、アルコール度数が40度のウイスキーに次いでカロリーが高くなっています。
このデータだけを見ると、太りやすいと言われるビールに比べてカロリーが高くなっていますが、数値は90g当たりのため、大きなジョッキでガブガブと飲むビールと、ロックにしてゆっくりと味わう焼酎では、ビールのほうが摂取するカロリーは多くなりがちです。
また、炭水化物(糖質)を比較すると、蒸留酒である焼酎やウイスキーが0gですが、ビールは2.8g、ワイン1.8g、日本酒3.2gです。糖質は、摂り過ぎてしまうと血糖値が上がって体内にインスリンが大量に分泌されます。このインスリンが、余った糖を脂肪に変えて肝臓に蓄えてしまうため太ると言われています。ダイエットで太りたくないという人は、炭水化物(糖)が少ない焼酎がおすすめです。
4-2.ダイエット中に焼酎を楽しむには
炭水化物(糖質)が0(ゼロ)で、太りにくいお酒と言われる焼酎ですが、ジュースなど糖分が含まれるもので割って飲むと、カロリーや糖質が大幅に増えてしまいます。ダイエット中の人が焼酎を楽しむなら、ロックか水割りで飲むのがおすすめです。もちろん飲み過ぎには注意。また、カロリーが少ないおつまみを選ぶことも大切です。
まとめ
今回は、焼酎本体の味と香りが楽しめる美味しいロックの作り方と、ロックで楽しむのにおすすめの銘柄をご紹介しました。焼酎は、ストレートや水割り、お湯割り、ソーダ割りなどさまざまな飲み方が楽しめますが、ゆっくりと味わえるロックがおすすめ。ぜひ、甲種焼酎や乙種焼酎に関わらずさまざま銘柄をロックで飲んでみて、それぞれの個性を楽しんでみてはいかがでしょうか。