本格焼酎の原料といえば芋焼酎や麦焼酎、米焼酎が一般的に知られていますが、そば焼酎というものをご存知でしょうか?そば焼酎は、ほのかにそばの香りがありクセがなく飲みやすい特徴があります。
今回はそんなそば焼酎の味わいや歴史など魅力について解説していきます。
選び方のポイントや楽しみ方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
1.そば焼酎とは?
1-1.そば焼酎の特徴・味わい
そば焼酎の特徴は、なんといっても日本人に馴染みの深いそばの香りと味わいが堪能できることです。クセがなくすっきりとしたその飲みやすい味わいは、焼酎初心者の方でさえ虜になるほど。
馴染みのあるそばの香りから、日本料理とも良くマッチし、食中酒としても親しまれています。
そばにもたくさんの種類がありそれぞれ香りの個性があるように、そば焼酎にも主原料となるそばの違いから、香りや風味が違ってきます。そばの香りを存分に活かしたものから風味付けにさわやかな香りのものまでバリエーション豊富であり、楽しむことができます。
1-2.そば焼酎の歴史
そば焼酎は、宮崎県五ヶ瀬(ごかせ)地方で1973年に造られたのが始まりとされています。五ヶ瀬地方の特産品であるそばを原料にし、五ヶ瀬に蔵を持つ雲海酒造が”そば焼酎雲海”として販売されました。ほのかなそばの香りとその飲みやすさから人気を集め、瞬く間に日本全国へと広がっていきました。
昭和後期には北海道から九州地方まで幅広い地域で生産されるようになり、特にそばの産地である長野県では、佐久市を中心にそば焼酎に力を入れている蔵元が多数存在しています。
2.そば焼酎の選び方のポイント
そば焼酎の選び方のポイントとして、産地、麹の種類、蒸留方法の違いがあります。この3つの観点から詳しく説明していきます。
2-1.産地
そば焼酎は日本全国で生産されていますが、迷った時はぜひ宮崎県と長野県から選ぶことをおすすめします。
そば焼酎発祥の地である宮崎県は、本格焼酎の出荷量日本一を誇る土地です。焼酎の味わいやそばにも深く関わる天然水が最高の質を誇っています。マイルドですっきりと飲みやすい特徴があります。
長野県はなんといっても日本のそばの名産地です。信州そばはその名を知らない人はいないほど有名。そば作りに適した冷涼な気候と、昼夜の寒暖差が味わい深いそばを育てているといわれています。芳醇なそばの香りを存分に味わいたい方には、長野県のそば焼酎がおすすめです。
2-2.麹の種類
そば焼酎の味わいを大きく左右するといわれているのが麹の種類です。そばで麹は造りにくいため、米麹や麦麹などを用いるのが一般的とされています。
米麹を使用したそば焼酎は、やさしくマイルドな口当たりとほのかな甘味が感じられる焼酎になります。麦麹を使用すると、麦の香ばしさが残りそばの香りと相まって、ごくごくと飲みやすい焼酎に。中にはそばで麹が造られたそば麹のみの焼酎も存在します。こちらはそば独特の風味や味わいを存分に感じられる仕上がりとなっています。
また、麹には「白麹」「黒麹」「黄麹」といった麹菌の種類があります。その種類によっても味わいが変わってきます。すっきりとしたクセのない味わいを好む方には「白麹」、そば本来の個性をしっかりと味わいたい方には「黒麹」を、フルーティーで華やかな香りを堪能したい方には「黄麹」で仕込まれたものがおすすめです。
(出典元:amazon)
2-3.蒸留方法
焼酎は蒸留方法によっても味わいや風味が変わってきます。
本格焼酎の蒸留方法には「常圧蒸留」と「減圧蒸留」の2種類がありますが、そばの原料由来の香りと濃厚な味わいを存分に楽しみたい方は常圧蒸留焼酎、風味付け程度にそばの香りがあり雑味のないスッキリとした味わいを楽しみたい方には減圧蒸留焼酎がおすすめです。
3.そば焼酎のおすすめの楽しみ方
そば焼酎は他の本格焼酎同様に、ロックやストレート、水割り、お湯割り、ソーダ割りなど飲み方が多彩です。
その中でも特におすすめしたいのが、お湯割りとそば湯割りです。
3-1.お湯割り
そば焼酎の魅力の一つであるそばの香りをしっかりと堪能したい方には、なんといってもお湯割りがおすすめ。
耐熱グラスに70度ほどのお湯を注ぎ、次にそば焼酎を入ます。こうすることで人肌ほどの温度で仕上がり、そばの香りが湯気とともにほんのりと立ち上がり、香りやコク・旨味が増したまろやかな味わいとなります。
お湯割りにする際には、温度によって香りが微妙に変化し、熱すぎると風味が飛んでしまうため温度は特に大切です。出来上がりが40度前後となるように仕上げてください。
3-2.そば湯割り
そば焼酎ならではといった飲み方の中に、そば湯割りがあります。
そば湯とはその名の通り、そばを茹でた時の茹で汁のことです。とろみのある白いお湯のことで、そば屋さんではおそばをいただいた後に急須に入って提供されることが多いです。
そばの旨味が凝縮されたそば湯は、そばつゆで割って飲まれることが一般的ですが、そば焼酎の割り材として使うことによりそば焼酎がさらにまろやかになり、そばの風味や香りをまた更に堪能することができます。
まとめ
そば焼酎の魅力について解説していきました。本格焼酎の中でも飲みやすいとされるそば焼酎は、焼酎初心者や女性の方にもぜひおすすめしたい焼酎です。
そば好きの方にも好まれること間違いなしのお酒なので、ぜひ一度お手に取って体験してみてください。