「霧島」は、宮崎県都城市に本社がある霧島酒造がつくる芋焼酎の人気ブランド。1933年に商標登録されてから80年以上にもわたって全国の焼酎ファンに愛されてきました。「霧島」ブランドには、原料となるさつまいもや麹の違いによって、味わいや香りが違うさまざまな銘柄があります。なかには宮崎限定で販売されているものも。今回は、そんな宮崎限定販売の「霧島《宮崎限定》」についてご紹介します。
この記事の目次
霧島《宮崎限定》とは
「霧島《宮崎限定》」は、霧島酒造の創業100周年を記念して、これまでの霧島酒造を支えてくれた地元宮崎の人たちへの感謝の気持ちをかたちにした商品です。「霧島《宮崎限定》」は、南九州の肥沃なシラス台地で育てられたさつまいも「黄金千貫(コガネセンガン)」と、霧島連山から流れる清冽な地下水「霧島裂罅水(きりしまれっかすい)」によってつくられる本格焼酎。キャッチコピーは「ずしっと ほんかくー」で、原料の風味を活かすブレンドによって、濃醇で複雑な味わいとずしっとした飲み応え、長い余韻が楽しめるのが特徴です。
「霧島《宮崎限定》」の原料として使われている「黄金千貫(コガネセンガン)」は、芋焼酎の原料として有名なさつまいもの品種で、適度な糖度とでんぶんの含有量、そして焼酎にしたときの芳醇な香りが特徴です。名前の由来は、皮が黄色で収量が多いことから「黄金色のいもがザクザクとれる」ということから名付けられました。
「霧島裂罅水」は、霧島山脈に降った雨が、シラス層や火山灰土壌などに染み込んで、永い年月をかけて自然にろ過された貴重な天然水です。適度なミネラルを含んでいて飲み口はまろやか。「霧島裂罅水」は、霧島酒造のすべての焼酎づくりに使われていて、本格焼酎のおいしさの源泉となっています、
霧島には様々な銘柄がある
「霧島」には、原料として使用されるさつまいもや麹の違いによって、様々な銘柄がありそれぞれ個性的な味わいが楽しめます。それらの焼酎の特徴やおすすめの飲み方を紹介しましょう。
白霧島
「白霧島」は、創業当時以来、80年以上も愛されている霧島酒造を代表する銘柄です。かつては「霧島」の名前で親しまれていましたが、2015年にリニューアルされ「白霧島」としてラベルのデザインが一新されました。実は、「白霧島」と名前が変わる前にも、80年の間に何度もリニューアルは行わていて、伝統を守りながらも最高の味を追求しています。
「白霧島」の原料としてに使われているさつまいもは、「黄金千貫(コガネセンガン)」です。麹は「白麹」で、2015年に宮崎県食品開発センターが独自に研究開発した「平成宮崎酵母」を使用することで、酵母由来のほんわりとした甘い香りと、芋本来のどしっとしたコクが楽しめます。霧島シリーズには、それぞれキャッチコピーが付けられていて「白霧島」は「どしっと ほわんと」です。
黒霧島
霧島酒造の創業者である江夏吉助が、大正5年に初めて蔵出ししたのは黒麹仕込みの焼酎でした。「黒霧島」は、当時の黒麹仕込みの焼酎の味わいを再現しています。黄金千貫を黒麹で仕込んだ黒霧島は、トロッとしたあまみにキリッとした後切れの良さが感じられます。キャッチコピーは「トロっと キリっと」。
「黒霧島」が発売されたのは、1998年。最初は宮崎県限定での発売でした。翌年には全国発売となりましたが、広く知られるようになったのは2002年で、テレビで紹介されたことがきっかけです。そして翌年には、芋焼酎市場で出荷量1位となって、一気に焼酎界の雄と登りつめたのです。
赤霧島
「赤霧島」は、白霧島や黒霧島と違い原料のさつまいもには「紫優(ムラサキマサリ)」が使われています。紫優(ムラサキマサリ)の肉質は、その名の通り紫色。ポリフェノールの一種であるアントシアニンを豊富に含んでいます。このアントシアニンが、麹の生成するクエン酸と反応してもろみが真っ赤に染まることから「赤霧島」と名づけられました。
「赤霧島」は、上品な香りと澄んだ甘みが特徴。フルーティーな味わいは、たくさんの花が咲き乱れるようであることから、赤霧島のラベルには「百花繚乱」の文字が書かれています。キャッチコピーは「トロっと キリっと」です。
茜霧島
「茜霧島」の原料には、「タマアカネ」という肉質があざやかなオレンジ色をしたさつまいもが使われています。タマアカネは、アメリカから導入した高カロテンの品種と黄金千貫の系統で多収でいもの外観が優れる「九系179」を交配した品種です。
「茜霧島」には、このタマアカネの香りを際立たせるために、「花らんまん」という観賞用のサツマイモ花から採取された「芋の花酵母」を採用しています。この酵母を使用することで「茜霧島」は、はなやかで甘くフルーティーな風味が楽しめます。「茜霧島」のキャッチコピーは「キラっと はなやか」です。
なお、原料のタマアカネの収穫量が限られているため、「茜霧島」は限定生産品で出荷日が決まっています。
霧島関係の銘柄まとめ
銘柄 | 原料(さつまいも) | キャッチコピー | おすすめの飲み方 |
霧島《宮崎限定》 | 黄金千貫(コガネセンガン) | ずしっとほんかくー | お湯割り |
白霧島 | 黄金千貫(コガネセンガン) | どしっと ほわんと | お湯割り |
黒霧島 | 黄金千貫(コガネセンガン) | トロっと キリっと | ロック |
赤霧島 | 紫優(ムラサキマサリ) | トロっと キリっと | ロック、水割り |
茜霧島 | タマアカネ | キラっと はなやか |
ロック、水割り、ストレート |
その他の霧島
霧島ブランドの焼酎には他にも「黒霧島EX」や「虎斑霧島」などがあります。「黒霧島EX」は、独自の「デリシャス・ペンタゴン製法」で、本格芋焼酎を形づくる「あまみ・うまみ・まるみ」、そして黒霧島の特徴的な「トロッと・キリッと」の五つ味わいの要素を最大限に引き出した焼酎です。「虎斑霧島」は、本来は日本酒の製造に使われる「黄麹」と創業当時に使わてれいた伝統の「黒麹」のコラボレーションにより誕生した焼酎で、キレのある苦みに、ふわっと広がる華やかな香りと甘みが特徴です。
蔵元・産地
霧島酒造
霧島酒造は、宮崎県都城市に本社を置く酒造メーカーです。代表銘柄は、「シロキリ」の愛称で80年以上も愛されている「白霧島」や本格焼酎ブームの火付け役とも言える「クロキリ」の愛称で親しまれている「黒霧島」などです。現在、本社工場と志比田工場の2か所で焼酎をつくっていて、ホームページで確認することその種類は、霧島ブランドだけでも13種類、芋麹焼酎「吉助」が3種類、麦焼酎「ほ」が2種類など実に豊富です。
(イメージ画像です)
歴史
霧島酒造の創業は、今から100年以上も前の1916(大正5)年。創業者の江夏吉助が「川東江夏商店」を立ち上げて芋焼酎の製造を始めたのが始まりです。1933(昭和8)年には「霧島」を商標登録、1949(昭和24)年には改組し社名を「霧島酒造株式会社」としました。1957(昭和32)年に現在の社長である江夏順吉が、九州旧式焼酎協議会で、焼酎乙類を「本格焼酎」と呼ぶことを提唱しました。2003(平成15)年頃から始まった焼酎ブームにのり、売上が急増し2012(平成24)年には焼酎売上で日本一となりました。
「霧島《宮崎限定》」は、2016(平成28)年に創業100周年を迎えたことを記念して発売された商品で、焼酎造りの原点を見つめなおし、これまで霧島酒造を支えてくれた地元宮崎の人たちへの感謝の気持ちをかたちにした本格芋焼酎です。
霧島(宮崎限定)購入方法
「霧島《宮崎限定》」は、宮崎エリア限定での発売のため基本的には宮崎県に行かないと購入することができません。しかし、Amazonや楽天市場などのインターネット通販では入手可能なので、気になる人は探してみてはいかがでしょうか。
評判
Amazonでの商品レビューを紹介します。
赤霧島、黒霧島、茜霧島とすべてファンですが、やはり霧島と言えばこの霧島20度(本霧島とも呼ばれてますね)で決まり!毎夜の晩酌が楽しみになりました!
白霧島とは違うんです。もう宮崎限定でしか出ていない、やはりこの普通の霧島が落ち着きます。
霧島酒造の別銘柄の焼酎
霧島酒造では、霧島ブランド以外にも別な銘柄の焼酎がつくられいます。
吉助
「吉助」は、麹も厳選したさつまいものみでつくられた芋麹焼酎です。そのため、芋本来の味わいや香りが楽しめます。「吉助」には、白麹を使った「白」、黒麹を使った「黒」、原料のさつまいもに「ムラサキマサリ」だけを使用した「赤」の3種類があります。
「ほ」
「ほ」は、霧島酒造がつくる唯一の麦焼酎です。原料には麦と麦麹を使い、麦の爽やかな香りとコク、そしてまろやかな旨みが特徴です。
まとめ
今回は、日本を代表する焼酎酒造メーカー「霧島酒造」が創業100年を記念して発売した「霧島《宮崎限定》」をご紹介しました。宮崎エリア限定での販売なので、なかなか入手が難しいですが、興味のある人はインターネット通販などを利用して手に入れてはいかがでしょうか。