粕取り焼酎ってどんなお酒?粕取り焼酎の種類や楽しみ方を解説

みなさんは粕取り焼酎というものを見かけたことがありますでしょうか?「粕取り焼酎とは何ですか?」と疑問に思われる方は多いと思います。

粕取り焼酎とは別名”酒粕焼酎”とも言われており、その名の通り酒粕から造られているお酒です。

今回はそんな粕取り焼酎の魅力について詳しく解説していきます。

1.粕取り焼酎とは

1-1.粕取り焼酎とは酒粕を原料に造られる焼酎

粕取り焼酎とは、酒粕からアルコール分を抽出して造られている焼酎のこと。

酒粕とは、日本酒造りの過程でできる醪(もろみ)を搾ったあとに残ったもので、日本の副産物として広く親しまれています。日本酒は、醪からアルコールを含んだ水分を取り出したお酒ですが、酒粕にもアルコール分が8%ほど残っています。これを抽出して造られたお酒が粕取り焼酎です。

酒粕を原料に造られているため日本酒の魅力をも兼ね備えており、美味しいと評判の知る人ぞ知る焼酎となっています。

1-2.粕取り焼酎の魅力

粕取り焼酎は酒粕を原料とされていることにより、酒粕に含まれている米の甘味や酵母の旨味などが凝縮されており、米焼酎や日本酒ともまた違う芳醇な味わいが楽しめることが魅力です。味わいだけでなく、酒粕ならではのクセのある独特な香りもまた、焼酎通の人に愛されている理由でもあります。

近年では、このクセのある香りを抑え米の香りを高めた粕取り焼酎も販売されており、人気が高まりつつあります。

1-3.粕取り焼酎が造られるようになった背景

粕取り焼酎は、稲作の現場で偶然誕生したのが始まりと言われています。

米の酵母の旨味成分や栄養分をたくさん含んでいる酒粕は、肥料として活用されていましたが、その際に偶然粕取り焼酎が生まれました。そのため現在でも、稲作が盛んである福岡や佐賀など、北九州を中心に製造されています。

1-4.戦後の闇市などで売られていた「カストリ焼酎」とは別物

戦後の闇市などで売られていた”カストリ焼酎”と呼ばれるものがありますが、これとイメージを重ねて、粗悪品のイメージを持つ方もいらっしゃいますが、全くの別物です。

前後の日本は混乱期の中にあり、原料不足から工業用アルコールなどを原料にした粗悪な密造酒が横行しました。これが”カストリ焼酎”と呼ばれていましたが、語呂合わせのような呼び名であり、本来の粕取り焼酎とは無関係です。

もちろん現代では、カストリ焼酎のようなマイナスイメージに繋がる酒は、歴史の陰に消え去っています。

酒粕

2.粕取り焼酎の種類

粕取り焼酎には製造方法の違いにより、2種類存在します。それぞれの味わいと共に紹介しますので、購入する際にぜひ参考にしてみてください。

2-1.正調粕取り焼酎

昔ながらの伝統的な製法で造られた粕取り焼酎は、「正調粕取り焼酎」と呼ばれています。

酒粕に通気性をよくするためのもみ殻を混ぜ、蒸籠(せいろ)式の蒸し器で蒸留され造られている製法です。

酒粕本来の香りや味わいがしっかりと感じられる特徴があり、焼酎通の人から長年愛され続けているのが、正調粕取り焼酎です。

2-2.吟醸粕取り焼酎

近年になって開発された新製法である「吟醸粕取り焼酎」。

こちらは酒粕に水と酵母を加えて再発酵させてから蒸留する製法です。

その名の通り、日本酒のような吟醸香が感じられ、スッキリとした味わいが特徴。日本酒好きや米焼酎好きの方にも好まれています。

この新製法で発売された粕取り焼酎は、その飲みやすさから、粕取り焼酎の人気上昇の理由のひとつでもあります。

焼酎

3.粕取り焼酎のおすすめの飲み方

粕取り焼酎も通常の焼酎と同じく多彩な飲み方が楽しめるお酒です。

3-1.ストレート

ストレートの良さはなんといっても粕取り焼酎の酒粕のふくよかな風味をしっかりと感じることができること。

ごくごくと飲むというよりは、少し含んで口の中でしっかりと味わってみてください。粕取り焼酎は酒蔵の違いにより、酸味のある味わいやバニラのような甘い香りがするなど、様々な味わいが感じられることがストレートならでは。

お気に入りの銘柄を探す際にはまずはストレートで試してみることをおすすめします。

ストレート

3-2.ロック

スッキリとクリアな味わいを感じられることが魅力のロック。

大きめのロック氷を用意し、しっかりと冷やしてから、氷がゆっくり溶けていく過程での味わいの変化も楽しむことができます。

粕取り焼酎のクリアな味わいと後からくるお米の風味を存分に感じたい人には、ロックがおすすめ。酒粕の原料はお米なため、和食などに合いやすく、クリアな味わいのロックは食中酒としても人気があります。

ロック

3-3.お湯割り

日本酒は熱燗で楽しむことができるように、粕取り焼酎もお湯割りでの相性は抜群です。

お湯で割ることにより、湯気とともに酒粕の芳醇な香りが乗ってきて、更に香りを楽しむことができます。

味わいは最初はまろやかな口当たりで最後にキリっとしめてくれ、すっきりとした甘酒のような味わいを感じることができます。

はちみつなどを加えて甘みをプラスしたり柑橘類を絞ってみてもまた違った味わいになるので、ぜひ試してみてください。

お湯割り

3-4.ソーダ割り

飲みやすさが魅力のソーダ割り。粕取り焼酎のふくよかな香りがソーダで割ることにより、炭酸のパチパチに合わさってとても爽やかに楽しむことができます。

お米のほのかな甘みを炭酸がしっかりと引き出してくれるため、そのクセになる味わいに虜になる方が多くいらっしゃいます。

焼酎初心者の方や女性の方はぜひソーダ割りから粕取り焼酎を試してみることをおすすめします。

ソーダ割り

まとめ

粕取り焼酎について詳しく紹介していきました。

日本酒や米焼酎とはまた違った酒粕ならではの味わいを楽しめるのが、粕取り焼酎の最大の魅力です。

見かけた際にはぜひ一度お手に取って試してみてください。

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