焼酎のラベルに「初垂れ(はなたれ)」と書かれてあるものを見た事がありますでしょうか。
焼酎の初垂れ(はなたれ)とは、蒸留される過程の中で、一番最初に蒸留される、ごくわずかな焼酎のことをいいます。私たちが普段飲んでいる焼酎は、「本垂れ(ほんだれ)」と言われ、初垂れ(はなたれ)の次に蒸留されている焼酎です。
今回は焼酎の初垂れ(はなたれ)について、市販されている焼酎との味わいの違いなど詳しく解説していきます。
この記事の目次
1.初垂れ(はなたれ)とは?
初垂れ(はなたれ)とは、焼酎を造られる過程の蒸留の中で、一番最初に蒸留された焼酎のことであり、初留(しょりゅう)と呼ばれることもあります。どんな焼酎の種類にも必ず存在しますが、全体の1~3%しか取れないため希少価値の高い焼酎です。
本垂れ(ほんだれ)や末垂れ(すえだれ)も
私たちが普段口にしてることの多い焼酎のほとんどが、「本垂れ(ほんだれ)」と言われる焼酎で、初垂れ(はなたれ)の次に蒸留され取れる焼酎です。また、最後の方に蒸留される焼酎は「末垂れ(すえだれ)」と呼ばれています。
2.初垂れの特徴
初垂れ(はなたれ)には、本垂れ(ほんだれ)や末垂れ(すえたれ)とはまた違った特徴がいくつかあります。まずは味わいから解説していきます。
2-1.初垂れの味わい
初垂れの魅力はなんといってもその味わいにあります。一番最初に蒸留される焼酎なので、旨味成分がギュッと凝縮されており、本垂れや末垂れには感じることの出来ない香りや味わいがしっかりと楽しむことができます。
もちろん本垂れや末垂れにもそれぞれの良い香りと旨味があるのですが、焼酎のしっかりと凝縮した味わいや香りはやはり格別です。希少価値が高いため簡単には手に入りませんが、焼酎通の方にはぜひ一度飲んでいただきたいおすすめの焼酎です。
2-2.アルコール度数が高い
蒸留したての本垂れの原酒は、芋焼酎のアルコール度数が37〜40度、麦焼酎や米焼酎は43〜45度といわれています。一方、蒸留の最初の部分である初垂れの原酒は、採れたての際のアルコール度数が60%以上ととても高いです。このままだと酒税法上では焼酎として分類できないため、採れた原酒をアルコール度数45%以下まで割り水して出荷されます。ほとんどの場合、本格焼酎として販売されています。
この最初のアルコール度数の高さから、割り水してもインパクトのある味わいに仕上がります。
2-3.華やかな香り
焼酎は発酵させたもろみを蒸留させたものですが、蒸留させる成分には香りがとても強い香気成分というものが含まれています。初垂れは沸点がまだ低い状態のため、香り成分がしっかりと含まれることにより、普通の焼酎よりも強めのパイナップルやバナナのような華やかな香りを感じることができます。
2-4.度数の高い初垂れは家庭の冷凍庫では凍らない
アルコール度数の高いお酒は凝固点(液体が個体になり始める温度)が低く、冷凍庫に入れても凍ることはありません。また、アルコール度数が20度ほどのお酒だとシャリシャリのシャーベット状になります。
初垂れは原酒のアルコール度数が元々高く、60度ほどの初垂れの場合、冷凍庫に入れても凍ることはありません。アルコール度数が60度ほどの初垂れは「初留取り(しょりゅうどり)」という名で販売されています。
アルコール度数が40度ほどの初垂れでも少しみぞれになる程度です。
3.初垂れのは冷凍庫で冷やすのがおすすめ
初垂れはまずはロックやストレートでそのままの味わいを感じていただきたいですが、その次にぜひとも試していただきたい飲み方は、冷凍庫で冷やして飲むことです。
冷凍庫で冷やした初垂れを飲むことでトロッとした状態が、いつもの焼酎とはまた一味違った味わいを楽しむことができます。
まとめ
焼酎の初垂れを詳しく紹介していきました。
初垂れは焼酎全体の1〜3%しか取れないとても希少価値の高い焼酎です。最近では一般の方にも飲んでもらいたいという蔵元が増え、一般の方でも見かけることが多くなりました。
初垂れを見かけた際には、ぜひとも試していただきたい焼酎です。焼酎通の方へのプレゼントとしてもおすすめです。