泡盛の古酒とは?オススメの飲み方から賞味期限まで解説!

沖縄料理屋や焼酎バーなどでたびたび見かける泡盛の古酒。では、泡盛の古酒とはどのようなもので、どのような楽しみ方ができるのでしょうか?この記事では、おすすめの泡盛の古酒の紹介も交えつつ、泡盛の古酒について解説しています。泡盛の古酒について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

1. 泡盛の古酒とは

まずは、泡盛の定義を押さえたうえで、泡盛の古酒とはどんなものであるかを見ていきましょう。

1-1. 泡盛の定義

泡盛とは沖縄県を原産とする焼酎の一種。日本で最も古い歴史をもつ焼酎でもあり、15世紀末にはすでに琉球(現在の沖縄県)で造られていたと言われています。

泡盛は主にインディカ米を原料とし、黒麹菌を用いた米麹によって発酵させ、もろみを単式蒸留器で蒸留して造られます。このような製法から、酒税法上では泡盛は「単式蒸留焼酎(乙類)」の一種に分類されています。また、米を主原料にしていることから、広い意味では米焼酎の一種とも言えますが、米焼酎とは異なる特徴がいくつもあるのです。

まず、原料。米焼酎は一般的に日本米(ジャポニカ米)を原料としますが、泡盛の場合、一般的にタイ米などのインディカ米を原料としています。

次に、原料の米のでんぷんを分解する麹菌の種類にも違いがあります。米焼酎には主に白麹菌という麹菌を使われますが、造り手が自由に選択することができる一方、泡盛の場合は黒麹菌という麹菌を使うことが定められているのです。

それから、仕込み方も異なります。米焼酎の場合、麹の発酵を二段階にわけておこなう「二次仕込み」と呼ばれる仕込み方で造られますが、泡盛の場合、原料の米を一度にすべて麹にして蒸留する「全麹仕込み」と呼ばれる仕込み方で造られています。

1-2. 泡盛が「古酒」と呼べるのは3年貯蔵から!

泡盛の表示に関する規約では、「古酒」と表示できるのは全量を3年以上貯蔵した泡盛のみと定められています。また、「5年古酒」などと年数を表示する場合、全量が5年以上貯蔵されたものでなくてはなりません。

泡盛を甕や瓶に入れ、長い年月をかけて熟成させると、その泡盛は素晴らしい「古酒(クース)」へと育っていきます。長期熟成させることによって、泡盛に含まれる成分が香りや味わいをもたらす成分に変化するため、香りは芳醇に、口に含んだ時の舌触りはまろやかになるのです。そのため、ウィスキーやブランデーと同様に、泡盛も長い年月が経った古酒ほど珍重され、高価になる傾向にあります。

1-3. 泡盛の古酒のアルコール度数はどれくらい?

実際に市場に流通している泡盛の古酒のアルコール度数は、そのほとんどが43度に設定されています。

というのも、泡盛のアルコール度数の上限は酒税法で45度以下と定められているため、もし45度で製品化しようとすると、時の経過とともに水分が蒸発してしまった場合、酒税法の規定から外れてしまう可能性があるからです。仮に45度で製品化をして、水分の蒸発によりアルコール度数が1~2度上昇した状態で出荷してしまうと、その泡盛は酒税法上「スピリッツ類」に分類されてしまうことになります。そこで、もしも度数に多少の変動があったとしても、45度を超えないであろう43度で製品化するのが一般的になったのでした。

ただし、宮古島の古酒には35度のものが多く見受けられます。

2. 古酒のオススメの飲み方

次は、泡盛の古酒のおすすめの飲み方を2つご紹介します。

2-1. ゆっくりとストレートで

泡盛の古酒は、まずはその香りや味わいをストレートで味わうのがおすすめです。とはいえ、先にもご紹介した通り、泡盛の古酒のアルコール度数は一般的に43度とかなり高め。そこで、お猪口に少量注いで、ゆっくりと時間をかけながら、「飲む」というより「舐める」ようにして味わうといいでしょう。また、あらかじめチェイサーを用意し、水を飲みながら味わうのもポイントです。

ぜひ口の中から鼻腔へ抜ける芳醇な香りや濃厚な旨味、優雅な余韻を楽しんでください。

2-2. ロックで味わいの変化を楽しむ

ストレートが強すぎると感じる場合、ロックで飲むのもおすすめです。大きめのグラスに氷を入れ、少量の泡盛の古酒を注ぎ、軽くステアします。ロックでも古酒本来の香りや味わいが楽しめると同時に、氷が溶けるにつれて古酒の味わいが変化していくのも楽しめます。

3. 泡盛の古酒に賞味期限ってある?

基本的に、泡盛の古酒には賞味期限というものがありません。というのも、泡盛の古酒はアルコール度数が高いため、有害微生物などが繁殖しにくく、品質劣化が起こりにくいのです。そのため、泡盛の古酒には賞味期限の表示義務がありません。その代わりに、「詰口年月日」、つまり泡盛の古酒の瓶詰めをおこなった年月日が表示されることがありますが、表示義務はないので、表示するか否かは造り手の判断となります。

3-1. 適切に保管しなければ品質劣化もあり得る

泡盛の古酒に賞味期限はありませんが、たとえ未開封であっても、保管状態が悪ければ品質が劣化し、香りや味わいが変化してしまうこともあり得ます。

そのため、高温多湿の場所や直射日光の当たる場所は避け、できるだけ涼しい場所に保管するようにしましょう。具体的には、北側の部屋の納戸やクローゼット、もしくは床下収納などがおすすめです。

ただし、いくら気温が低いからとはいえ、冷蔵庫の中での保管はおすすめできません。というのも、冷蔵庫のような低い温度では、焼酎に含まれるうま味成分が凝固し、本来の味わいが損なわれてしまう可能性があるからです。

なお、一度開封した泡盛の古酒については、せっかくの香りが飛んでしまう可能性があるため、できるだけ早めに飲みきってしまうことをおすすめします。

4. 古酒の作り方 個人でも作れる?

泡盛の古酒は、個人宅で作ることも可能です。実際、沖縄では代々伝わる古酒がある家も多いのだとか。

では、その作り方を見ていきましょう。

4-1. 個人でも作れる泡盛の古酒。その作り方は?

手軽に泡盛の古酒を作るのであれば、親酒として長期熟成向きのアルコール度数が40度以上の泡盛を用意し、瓶の口を開けない状態で、先に紹介した適切な保管場所で長期間保管するだけでOKです。泡盛は瓶の中で熟成され、古酒特有の香りや味わいを形成していきます。

また、本格的に古酒を作りたいときは、親酒を甕に入れて熟成させましょう。甕に親酒を入れたら、甕とふたの間から蒸発してしまうのを防ぐため、甕とふたの間にセロファンを挟むのがおすすめです。密閉した甕は直射日光が当たらない場所に保管しましょう。その後、1年に1回のペースで同じ銘柄の泡盛を注ぎ足す「仕次ぎ」をおこないながら、じっくりと熟成させていきます。

そのため、甕にいつ、どんな泡盛を入れたかの記録をしておくのがおすすめ。そうすれば、仕次ぎをする際に注ぎ足す泡盛や、次回の仕次ぎのタイミングが把握しやすくなります。

 

5. 泡盛の古酒 人気の銘柄3選

最後に、泡盛の古酒の人気銘柄を3つご紹介します。

5-1. 菊之露 古酒

「古酒 菊之露」は宮古島で80年以上もの泡盛造りをおこなう菊之露酒造の泡盛です。宮古島の水はカルシウムをはじめ、ミネラルが豊富な硬水であるため、泡盛に使う黒麹菌がよく発酵する性質をもち、「菊之露」の泡盛の味わいを生み出す決め手となっています。

そんな「菊之露」の古酒は、長期熟成により古酒本来の旨味がぎゅっと凝縮された、風格ある味わいに仕上がっています。まろやかで透明感のあるコクが、後を引く美味しさ。

まさに宮古島の自然と菊之露酒造の職人気質が生み出す逸品と言えるでしょう。

(出典元:amazon.co.jp)

5-2. 瑞泉 古酒

「古酒 瑞泉」を手掛ける瑞泉酒造は、首里三箇のひとつである崎山の焼酎職を始祖に持ち、長い歴史を誇る泡盛の伝統を受け継ぐ蔵元です

そんな瑞泉酒造が誇る本格甕貯蔵による熟成古酒がこちら。甕熟成ならではの芳醇な香り、舌をころがるようなまろやかな味わい、そして深いコクが楽しめます

まずはストレートで味わって、その真価を確かめてください。

(出典元:amazon.co.jp)

5-3. 古酒 くら

沖縄県名護市のヘリオス酒造が手掛ける「古酒 くら」。泡盛の古酒は甕を使って熟成させるのが一般的ですが、「くら」は専用のオーク樽をつかって熟成されるため、琥珀色をしています。どこかウィスキーにも似た華やかな香りと味わい深さが特徴で、従来の泡盛の古酒とはまた違った雰囲気が楽しめます。

ウィスキーやブランデーなどの洋酒好きな方にもおすすめの1本です。

(出典元:amazon.co.jp)

 

まとめ

泡盛の古酒について解説しました。ぜひこの記事を参考にしていただきながら、知れば知るほど奥の深い泡盛の古酒の世界を楽しんでくださいね。

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