焼酎の乙類とは?乙類の解説とオススメ銘柄9選を紹介します!

焼酎は大きく「連続式蒸留焼酎(甲類)」と「単式蒸留焼酎(乙類)」の2種類に分類されるのをご存知でしょうか?この記事では、この2種類の違いを見ていきながら、「単式蒸留焼酎(乙類)」について詳しく解説していきます。また、記事後半では、「単式蒸留焼酎(乙類)」のおすすめの銘柄を9つ紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

1. 焼酎の乙類と甲類の違い

まずは、焼酎の基礎知識とも言える「連続式蒸留焼酎(甲類)」と「単式蒸留焼酎(乙類)」との違いについて見ていきましょう。

1-1. 焼酎の甲類と乙類の違いは蒸留法

焼酎の甲類と乙類の違いは、その蒸留方法にあります。

甲類が連続式蒸留機を使用して連続的に蒸留した焼酎を指すのに対し、乙類は単式蒸留機を使用して一度だけ蒸留した焼酎を指しています。近年では、乙類が甲類よりも劣っているというイメージが抱かれやすいことから、正式には甲類のことを「連続式蒸留焼酎」、乙類のことを「単式蒸留焼酎」と呼ぶようになりました。しかしながら、既に多くの人に浸透していることから、依然として甲類、乙類という旧名称も併用されています。

1-2. 焼酎の甲類と乙類ではアルコール度数も違う

焼酎の甲類と乙類では、酒税法に定められるアルコール度数も異なります。

同法に規定されるアルコール同数は、甲類の場合は36度未満、乙類の場合は45度以下。この数字だけ見ると乙類の方がアルコール度数が高いと思われそうですが、乙類の焼酎の多くが25~30度程度と設定されています。甲類は35度程度のものも多く存在するため、必ずしも乙類の方が甲類よりもアルコール度数が高いとは言い切れません。

1-3. 乙類(単式蒸留焼酎)の製法と特徴

甲類の焼酎は、蒸留を重ねることで純度の高いアルコールになるため、クセがなく、ほぼ無味無臭のクリアな味わいに仕上がるのに対し、一度きりしか蒸留操作をおこなわない乙類の焼酎は、米や麦、芋などの原料に由来する香りや風味が色濃く現れた焼酎になります。そのため、乙類の焼酎は、原料の違いによる個性がはっきりと現れている焼酎と言えるでしょう。

1-4. 歴史が古いのは乙類の焼酎

甲類と乙類の焼酎では、乙類の方がはるかに長い歴史があります。

甲類の焼酎を造る際に使用する連続式蒸留器が日本に導入されたのは1900年前後のこと。一方で、単式蒸留乙類の焼酎は、15世紀ごろから既に琉球(現在の沖縄県)で造られていました。これが、今でいう「泡盛」です。その後、16世紀には鹿児島県に伝来し、江戸時代には九州各地で単式蒸留の乙類焼酎が造られるようになりました。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

焼酎の甲と乙の違い/本格焼酎はどっち?オススメ銘柄までご紹介

2. 本格焼酎は乙類の選りすぐりの総称?

焼酎のラベルに、「本格焼酎」と書かれているのを目にしたことのある方も多いのではないでしょうか?なんとなく美味しそうなイメージがありますが、実は「本格焼酎」と名乗るためには条件が定められています。では、どのような焼酎が「本格焼酎」と名乗れるのか、「本格焼酎」の定義を見ていきましょう。

2-1. 本格焼酎は乙類の選りすぐりの総称?

本格焼酎の定義は、単式蒸留焼酎(乙類)であり、なおかつ「指定の原料」と麹を使用し、水以外の添加物を一切加えていない焼酎のこと。大まかにいえば、乙類のなかでも選りすぐりのものとも言えるでしょう。

なお、「指定の原料」とは米、麦などの穀類、芋類、清酒粕、黒糖の4品目を指し、ほかにも「政令で定める物品」に指定される栗や胡麻などの49品目を使用することが可能です。

ただし、「政令で定める物品」に指定される49品目を使用する場合、その重量の合計が、併用する穀類や芋類、および麹の重量を超えないことが条件となります。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

焼酎の甲と乙の違い/本格焼酎はどっち?オススメ銘柄までご紹介

3. 乙類のオススメの焼酎9選

3-1. 【森伊蔵酒造】森伊蔵 25度

かつてのフランス大統領のジャック・シラク氏の大のお気に入りだったという「森伊蔵」。鹿児島県垂水市にある森伊蔵酒造が手掛ける芋焼酎です。

原料には鹿児島産の有機栽培のサツマイモを使用し、明治18年から伝わる「かめつぼ仕込み」という製法により造られています。この製法により、温度が一定に保たれ、麹の発酵に良い影響があり、焼酎の味わいがまろやかになるのです。

フルーティーな香りと、まろやかな口当たり、豊かな旨味が特徴的。供給よりも需要が高いことから入手困難となり、通常はプレミア価格で市場に出回っています。

(出典元:amazon.co.jp)

3-2. 【塩田酒造】六代目百合 25度

水やお湯で割っても焼酎の個性がしっかりと残る、飲みごたえ抜群の「六代目百合」。鹿児島の薩摩半島からフェリーで1時間ほどの甑島という小さな島にある塩田酒造の6代目、塩田将史氏が手掛ける芋焼酎です。

「一度飲んだら忘れることはできない」とさえ言われるほどの鮮烈な香りと濃厚な味わい、ふくよかな旨味。芋焼酎愛好家におすすめの、「芋焼酎の王道」とも呼べる1本です。

(出典元:amazon.co.jp)

3-3. 【大海酒造】海 25度

芋焼酎入門にもおすすめの、飲みやすい芋焼酎の代表格とも言える「海」。鹿児島県鹿屋の大海酒造が手掛ける芋焼酎です。

麹には黄麹を使用し、蒸留方法には減圧蒸留を採用することで、クセのないクリアな味わいに仕上げています。

柑橘類を思わせる清涼感のある香りに、シャープかつエレガントな味わいに、爽快な喉越しが特徴です。

(出典元:amazon.co.jp)

3-4. 【黒木本店】百年の孤独 40度

明治18年の創業の黒木本店が誇る傑作ともいえる「百年の孤独」。麦焼酎の原酒を長期間ホワイトオークの樽で長期熟成させて造られています。

琥珀色の色調に、香ばしい麦の香り、オーク樽に由来するバニラのような香り。口当たりはとてもまろやかで、ボリューム感のある複雑な味わいが長い余韻となって口の中に残ります。ウィスキーにも似た風味が感じられるため、ウィスキー好きな方にもおすすめです。

(出典元:amazon.co.jp)

3-5. 【柳田酒造】駒 25度

飲みやすい味わいで、麦焼酎入門にもピッタリの「駒」。東京農業大学醸造学科の名誉教授として多くの杜氏を育てた故・柳田藤治氏の技術指導のもとで誕生した、宮崎県都城市の柳田酒造の麦焼酎です。

九州産の二条大麦の旨味を引き出すために、じっくりと低温で蒸留。ビスケットのような香香りに、フルーティーな甘い香り、軽快かつまろやかな味わいが特徴です。

(出典元:amazon.co.jp)

3-6. 【四ツ谷酒造】兼八 25度

麦の芳醇な香りと濃厚な旨味を感じられる「兼八」。1919年創業の大分県宇佐市の四ツ谷酒造が手掛ける麦焼酎です。

「はだか麦」を100%使用しており、麦本来の甘く香ばしい香りと深みのある味わいが特徴的。麦焼酎が好きな方なら、一度は試す価値のある1本と言えるでしょう。

(出典元:amazon.co.jp)

3-7. 【鳥飼酒造場】吟香 鳥飼 25度

「96年モンドセレクション国際食品コンクール」では特別金賞を受賞し、米焼酎の中でも抜群の人気を誇る「吟香 鳥飼」。熊本県南部の九州山地に囲まれた球磨地方、人吉盆地にある鳥飼酒造場が手掛ける米焼酎です。なお、球磨地方で造られる米焼酎は「球磨焼酎」とも呼ばれます。

完熟したトロピカルフルーツや、大吟醸酒のような華やかな香りに、さわやかで心地よい飲み口。飲み込んだ後もフルーティーな味わいが口の中に長く残ります。

飲みやすい米焼酎をお求めの方には特におすすめの1本です。

(出典元:amazon.co.jp)

 

3-8. 【繊月酒造】川辺 25度

球磨郡相良村の米「ひのひかり」と川辺川の伏流水から造られた「川辺」。熊本県人吉市の繊月酒造が手掛ける米焼酎です。

透明感のある清らかな香りと、上品な口当たり、洗練された味わいが特徴的。アメリカをはじめとする8ヶ国に輸出されており、世界で愛されている1本です。

(出典元:amazon.co.jp)

3-9. 【八海酒造】宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)  25度

日本酒「八海山」で知られる、新潟県にある八海酒造が手掛ける「宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)」。長い酒造りの伝統のなかで育まれた醸造技術を取り入れ、仕込みには清酒酵母と黄麹を使用した「三段仕込」がおこなわれています。

上品な吟醸香と、2年以上の貯蔵による円熟したまろやかさが持ち味。「宜有千萬」とは相手の多幸を祈る言葉であるため、贈り物にも最適です。

(出典元:amazon.co.jp)

まとめ

焼酎の甲類・乙類の違いや「本格焼酎」の定義についての解説を交えながら、乙類のおすすめの銘柄を9つ紹介しました。原料に由来する風味が味わえる乙類焼酎は、非常に個性が豊かです。ぜひ様々な乙類焼酎を試し、それぞれの持ち味や個性の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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