みなさんは焼酎の原料用にサツマイモが栽培されていることをご存知でしょうか?
どんなサツマイモが使われているのか、また食用としてあるサツマイモなのか、今回はそんな疑問にお答えしていきます。
芋焼酎に使われている代表的なサツマイモも紹介しますので、ぜひ自分が飲んでいる焼酎と照らし合わせてみてください。
この記事の目次
1.芋焼酎に使われる芋の種類は40種以上
現在栽培されているサツマイモの品種は約60種ほどあり、このうち芋焼酎の原料として栽培されている品種は約40種以上といわれています。
白芋の黄金千貫(コガネセンガン)が芋焼酎原料のトップです。他にも赤芋、紫芋、オレンジ芋といった、白芋系以外の品種も注目されるようになりました。
2-1.黄金千貫
芋焼酎の原料としては最も有名といっても過言ではないさつまいもが、「黄金千貫」です。芋焼酎の原料となるさつまいもは醸造用のものが多いですが、黄金千貫は食用としても利用されているところが特徴です。
果皮から中身までが白いところが特徴的で、大量に収穫できることから多く使用されています。でんぷん量が他のさつまいもよりも多いことから、香りと甘さが際立つ芋焼酎を生み出すことで知られています。
2-2.ジョイホワイト
ジョイホワイトは宮崎県で品種改良された、さつまいもです。ベースは黄金千貫であることからでんぷん質も豊富であり、香り高い芋焼酎を生み出します。
また、どっしりとした強い味わいというよりは、軽快でフルーティーな酒質を生み出すところも特徴です。芋焼酎初心者の方や女性に人気の銘柄に使用されていることが多い品種でしょう。
2-3.紅さつま
鹿児島県産芋焼酎の原料として多く使われているのが、紅さつまです。鹿児島県で育てられる紅さつまは、品質が高いことから芋焼酎だけでなく、焼き芋や加工品としても使用されています。
「さつまいもの王様」といった異名を持っており、栄養価が高く、芋本来の甘味やうまみをしっかりと際立たせた芋焼酎を生みだす人気品種です。
2-4.金時芋
紅さつまが「さつまいもの王様」であれば、金時芋は「さつまいもの女王」と称される、有名なさつまいもです。さつまいもの中でも群を抜いて美味しいと評価されることから、食用として広く使用されていることで知られています。
金時芋は、幅広い気候風土で育てることができるため、九州地方だけでなく全国各地で栽培されているところも特徴でしょう。金時芋から造られる芋焼酎は、シャープなキレ、華やかな風味、すっきりとした後味が特徴。食用とは違った、上品な味わいに仕上がるところが魅力的です。
2-5.紫芋
紫芋は、その名の通り中身が紫色である希少価値の高いさつまいもです。この紫色はポリフェノールのアントシアニンが関連しているといわれており、「綾紫」や「種子島紫芋」など紫芋の種類はポリフェノール豊富であることで知られています。
紫芋で造られる芋焼酎の香りの特徴は、甘さが強いところ。フルーティーな華やかさと甘さが共存した、リッチな味わいの芋焼酎を生み出します。
2-6.安納芋
焼き芋などに加工されることで知られる有名なさつまいも、安納芋。糖度が高いことから強い粘り気を持ち、その味わいの虜になる方が多いことで知られています。
焼酎の原料にも使用されていますが、甘さはそこまで強くなく、比較的やわらかな風味となるところが特徴です。口当たりはわやらかく、甘さはいたって上品に仕上げられます。
3.芋焼酎のおすすめの飲み方
芋焼酎のおすすめの飲み方を、4つ紹介していきます。
ロック
ジョイホワイトや金時芋など、フルーティーかつ軽快な原料を使用した芋焼酎にはロックがおすすめ。香りの華やかさをバランスよくするだけでなく、軽快であることから清涼感のあるロックがより美味しく感じるはずです。
水割り
紫芋や紅さつまなど、上品かつ香りが華やかな芋焼酎は水割りがおすすめです。
水割りにすることで口当たりがよりまろやかになるほか、アルコール度数も抑えられ飲みやすくなります。華やかな香りもほどよいバランスとなるため、ゆったりと芋焼酎を楽しむことができるでしょう。
お湯割り
安納芋や紅さつまなど 香りが豊かな芋焼酎は、お湯割りで楽しんでみましょう。お湯割りにすることで全体的にまろやかな口当たりになるだけでなく、香りがより華やかな印象になります。
芋らしい甘味とふんわりと香る華やかな風味が、いつもの芋焼酎をワンランク上げてくれるはずです。
ハイボール
黄金千貫やジョイホワイトといった、華やかで軽快な芋焼酎はハイボールでも美味しくいただけます。炭酸が芋焼酎をよりすっきりとさせてくれるほか、香りもしっかりと出してくれるので高い満足感を得られるでしょう。
4.芋焼酎と相性のいい料理
芋焼酎は、全体的に甘い香りとアルコール感、ほどよい酸味から来る切れ味が特徴です。芋焼酎と相性の良い料理を選ぶ際のポイントがこちらです。
- 味わいが濃いもの
- 香りの強いもの
- 脂分が多いもの
- 甘さを感じさせるもの
豚の角煮やごましゃぶでいただく豚や鶏、牛のしゃぶしゃぶ、黒糖そら豆、きゅうりの漬け物などがとくに相性が良いといわれています。
口の中をさっぱりとさせてくれる効果が期待できることから、クセの強い郷土料理もよいでしょう。
また、ジョイホワイトなど白ワインを思わせる香りを放つ芋焼酎もあるため、オリーブオイルなどをたっぷりと使ったカルパッチョなど洋風の料理との相性も抜群です。
まとめ
芋焼酎には、さまざまなさつまいもが使用されています。そして、それらさつまいもそれぞれに個性があり、仕上がる焼酎の味わいも千差万別です。
芋焼酎は日本人が世界にほこる希有な蒸留酒です。ぜひ、本記事を参考にさまざまな芋焼酎を試してみてはいかがでしょうか。